01/05・寒波襲来!有馬から裏六甲へ

まだ見ぬ滝を探してアイスガーデン付近をうろつく


結局お正月はだらだらと過ごしてしまい、初日の出ハイクから戻ってから、4日朝に映画を観るために梅田へ出るまで家から一歩も出なかった(こんな正月は初めて)。そのあいだにテレビを見てしまった。この3日間で1年分見てしまったような気がする。天皇杯サッカーから箱根駅伝、高校サッカーそしてライスボウルまでスポーツ三昧。
出かけた4日は寒かった。寒かったけど早朝から梅田は凄い人出で驚いてしまう。帰りに門戸の駅前に新しくできたイタリア人がやっているピザ屋に寄って帰る。その帰り道だけで、ヤッケが白くなってしまうほど横殴りの雪が降っていた。天気予報をチェックすると翌5日はもう一つ冷え込むらしい、「日本列島がすっぽり冷凍庫の中に入ったようだ」という表現。
手早く準備を済ませ、早々に布団に入る(まぁ、これはいつものことだけど)。

熱い紅茶をポットに入れスタート。元日とは比較にならないほど寒い。家の中も冷え冷えしている。外に出て空を見上げると満天の星空、どこかざわめいていた元旦とは違い静かな朝。でも、がたがたうるさいと思ったら、猛烈な風が吹いていて、それにあおられたいろんなモノが音を立てているのだ。食料品を補給するために寄ったコンビニでは大きなゴミ入れが駐車場で転がりまわっていた。

宝塚駅前から有馬へ行くバスは、月〜土は6:25発、日祝は6:30発。終点の有馬温泉までおよそ40分。相変わらず冷え冷えとして、風が強いが、途中見える駐車車両のフロントガラスは透明なまま(霜が降りていない)、有馬まで上がってきても雪もない。
バスの待合所で準備体操を済ませ、装備を整える。そして外に出ると身が切られるように寒い。指先も痛いほどだ。
新しくなった公共浴場「金の湯」の前を歩く、落ち着いたころに入りに来よう。きっと今は満員だろう。

ロープウェイの駅まで白い息を吐きながら歩く、温度計を見ると-3度。紅葉谷を流れる水はさらさら流れている。それ以外は何もかも凍り付いた世界。むき出しのほっぺと耳が痛い。
しばらく車も通れる幅の広い道、こんな道は歩きやすい。だんだん道幅が狭くなり大きな堰堤が二つ連続してあるとやがて分岐点、左へに取る(紅葉谷へ、右は湯漕谷)。すぐに木橋が連続して二本、ここから本格的な山道になる。しばらく歩くと大きな堰堤を道なりに巻き、ほぼ沢の流れと同じ高さの道を進むと木で出来た案内板のある分岐点にでる、ここを右の谷に入る。地図で確認するとこの谷が「蟇谷・がまたに」。踏み跡が消えかけた雪の中をちょろちょろ流れる沢の流れに沿って進む。
しばらく行くとこれが「蟇滝・がまたき」か、一流の滝に遭遇。なかなか高度差があって立派な滝だ。流芯は流れているが周辺部分は白く凍り付いている。「ふむふむ」なかなかいい滝だ。この滝の特長は写真を撮るときにかなり「引ける」ところだろう。
想像以上に水量が多い「蟇滝・がまたき」
この滝を巻くのにまた一苦労。よく観察すると滝の左側にある岩盤にロープが渡してあるのが見える。と、言うことは左手に巻き道があるはずだと見当をつけて見渡すと...。はたして、うっすらと踏み跡が。がさがさとこのコースを上がると、いきなり声を掛けられた!
山で予期せぬ場所で、予期せぬシーンで声を掛けられるほど驚くことはない!
今回も飛び上がるほどビックリした。ここで飛び上がると滝壺に滑落するので、飛び上がらず声にはならない叫び声を上げてしまう。重そうなカメラの撮影機材を背負い込んだおじさんだ。やっぱり、寒波が来ると考えることはみんなおなじなんだなぁ。

「蟇滝・がまたき」を巻いてもう暫く沢に沿って歩くと、今まで見たことがないそれは見事な滝に出逢う。幅はそうあるわけではないけれど、落差は30mはあるだろうか、白糸のような流れが幾重にも重なり、その細い流れは凍てつき中心の流れだけが音を立てて落ちている。
地図で確認するとこれが「くも滝」らしいい。しばし見とれる。寒いのでストーブに火を入れた。湯が沸くまでタバコに火を付けて腰を降ろしてゆっくりこの滝を楽しむ。六甲にもこんなタイプの滝があったなんて正直言って驚きだ。今日はこの滝に出逢えただけでも大満足。明朝はこの滝も氷結しているのだろうか? コーヒーを飲みながら大休止。
エリアマップの滝の位置は前から少しいい加減なところがあるとは思っていたが、蟇滝とこのくも滝の位置関係も少しおかしい。近すぎるような気がするなぁ...。

見事な「くも滝(?)」
息を飲むほどの素晴らしさ
写真ではその全貌を
お届けできずに残念

くも滝から分岐する左の砂で埋まった急な枯れ沢を霜柱を踏みながらよじ登るとくも滝の上に出る。ここにはしっかりした踏み跡が付いていて、それを辿ると間もなくよく整備された山道に出逢う。
地図を取り出して確認すると紅葉谷道のようだ。すると、今ボクが遡行してきた谷は蟇谷ではなく紅葉谷なのか? あの滝はくも滝ではなく七曲滝なのか? 謎が謎を呼ぶ? そう言えば、著名な滝にはおおむね表示板があるけど今日の滝には二つともなかったなぁ...?

紅葉谷道を谷に沿って歩くと少しずつ雪が目立つようになり、高度が上がると白い世界に。でも、年末に較べるとうんと少ない、樹氷の華も咲いていない。気温は氷点下5度ほどだけどね。乾燥しているのかな?
足元は先日の雪が溶けて固まり、つるつる滑って危なっかしい。携行している軽アイゼンを付けるべきかどうするかそうとう迷って、結局付けた。
間もなく極楽茶屋。まぶしいほどの晴天だ。

極楽茶屋から見下ろす大阪湾

今日は記念碑台まで歩いてバスで阪急六甲まで(この路線バスは冬ダイヤになっていて本数が極端に少なくなっています。事前にご確認の上でご利用下さいね、阪急バスホームページはこちら)。
いつか、あの滝が本当はどの滝なのか確認するぞ。それにしても冬の六甲は魅力的です!

おつかれさまでした。

※追記※
なんと、2003.1.7付の読売新聞夕刊・関西版の一面にこの滝が氷結しているようすを映した写真が掲載されています(目にした人は多くないと思うけど)。その記事によると、この滝は「紅葉谷にある“七曲滝”」だそうです。

 

有馬温泉バスセンター7:20〜紅葉谷分岐7:45〜蟇谷分岐7:55〜蟇滝8:15〜8:30くも滝(?)8:50〜紅葉谷道出逢9:10〜水場9:30〜極楽茶屋9:40〜記念碑台10:25