10/05・篠ケ峰

厳しい! 篠ケ峰・西谷コース


10月に入ってめっきり秋めいて来るどころか、また夏が来たのかと思うほど暑い日が続いている(朝夕はずいぶん涼しくなったけど)。お山の方はどうかな? 今週はようやく順番がまわってきた篠ケ峰(827.0m)を歩いて来ました。
事前の調査のweb検索ではほとんどヒットしない。山容の割にはほとんど歩かれていないと言うか、山歩きの対象になっていないのか。
2万5千地図は丹波和田。山頂は山南町、氷上町、加美町にまたがっている。今回のコースは山南町の西谷川を詰めて山頂をアタック(!)するコース。

これがあかんかったなぁ...。
地図上では山頂の近くまで破線の道が付いているので、この林道をトレースして、最後はきっと踏み跡程度の道がついているだろうと予想していた。
甘かった。
西谷の集落を過ぎるとすぐに林道はダートになる。ダートになってから三つ目の橋の手前に4〜5台は停められるスペースがあるので、ここでクルマを降りる。

手早く装備を整えて、準備運動。
ここから先の林道はワダチが掘れており、車高が高いクルマではないとしんどいでしょう。西谷川に沿ってしばらく行くと堰堤。これを見送ってしばらく歩くと早くも道がなくなる。きれいさっぱり消えている。仕方がないので、沢筋に降りて遡行。
ここからは、沢に降りるか、巻き道をたどるか道無き道をひたすら歩く。所々に踏み跡らしきものがあるにはあるのだけど...。
途中で何度も「もうやめようか」と思うんだけど、ここまで来たら前に進むしかない。
冷たくてきれいな沢の水音が気持ちをなぐさめてくれる。

「ヤブを漕ぐ」という表現があるのですが、まさしくその通り。
漕いでも、漕いでも際限なく続くヤブに手を焼く。
ルートを作りながらの遡行だから、普通の山道を歩くのに較べて10倍も20倍も時間を喰うし、体力も消耗する。

耳を澄ますと水音が一際大きくなっている(ような気がする)、と思ったら落差が10mほどの滝だ。ここで一休み。もちろん、人の気配は無く、時折、笛の音のようなシカの鳴き声が聞こえるだけだ。
薄暗い谷底でタバコをくゆらせていると、汗も引いて、ちょっと淋しくなるね。

この滝を巻くために沢筋を離れ、一気に高度を稼ぐ。ふかふかの落ち葉(腐葉土?)の絨毯を踏みしめて駆け上がる。梢の隙間が明るくなってきたら尾根筋も近い。鞍部に辿り着くと、送電線の鉄塔。我ながらよくここまで来れらたもんだ。また、一服。
この鉄塔から山頂までは割としっかりした踏み跡があり、今までの苦労から解放される。良かった!

山頂には三種類の中継アンテナ設備が鎮座しており「野趣」は全くない。しかも加美町からはここまで林道が繋がっており「なんだかなぁ」。
三角点はあるものの、山の名を刻む標識もプレートも無く一等三角点にしては淋しすぎるよ。
上空は青空が広がっているものの、周囲にはカスミがかかって、すぐ近くにあるはずの千ケ峰さえかすんでよく見えない。
ストーブに火を入れコーヒーの準備。日陰はなく、暑い。着ているものも汗でぐっしょり。ぶんぶん飛び交うハエがうるさい。なんか気に入らない山頂だ。それでも、気を取り直してコーヒーを飲みコンビニむすびを頬張って一息入れる。
今のコースを引き返すのは気が重いなぁ...。

登ってきたのとは別の稜線を辿って、岩屋山(726m)まで行き、そこから一気に下るという計画でいたけれど、こちらには踏み跡もない。
結局、上がってきたコースを辿ることにしたのだけれど、道無き道ゆえに同じ道を引き返すこともままならない。しかも、上りよりも下りの方が何倍も危ないし怖い。いかんなぁ。登るときは「えい、やぁ」って感じでも、下りはそうは行かない。足がすくんでしまうこともあった。

途中、沢の支流に入り、この流れを詰めて一休み。汗びっしょりの上に、顔や手はひっかき傷だらけ。沢の水で顔を洗う。岩盤をベッド替わりして、タオルを枕に寝そべると空が近くて何とも言えない気持ち良さ。目を閉じれば眠ってしまいそうだ。
今日のコースで唯一のやすらぎでした。

結局、ここからも散々苦労をして深々と溜息をつくと、目の前に堰堤が現れて救われました。
いやぁ、厳しかった。

しかも、帰り道。篠ケ峰の写真を撮ろうと柏原の途中でクルマを停めて振り返れば、あの日ボクが「いい山やな」と思ったのは篠ケ峰ではなく、もっと手前の白山であったことが判明! 「なんやねん!」

※今日のコースはお勧めしません。全行程の90%以上は踏み跡もはありません。もし、どうしても篠ケ峰にお登りになりたい場合は加美町側から丹治林道を経由するコースでどうぞ。

おつかれさまでした

 

三つ目の橋6:40〜滝7:40〜鞍部8:20〜鉄塔8:40〜9:10山頂9:50〜11:05沢の支流11:40〜12:50三つ目の橋

 

見過ごしてしまいそうな三角点 見えているシルエットの奥が千ケ峰
(写ってないけどね)
わずかに色づく葉もありました
氷上町から見上げる篠ケ峰、アンテナがあるでしょ