「10億分の1の男」

09/Jan./2004

  

今回は久々にテアトル梅田で観る映画は「10億分の1の男」(2001年のスペイン)。
最初にこの映画に興味を持ったのはチラシから。
“10億分の1”とはいったいなんぞや? それはどうやら確率の事らしい。ちなみに交通事故に遭う確率が7千分の1。飛行機事故に遭う確率が100万分の1。宝くじの1等が当たる確率が2千300万分の1らしい。
こういった人間の“強運”を賭けた、スリリングな運試しのゲームが地下で行われる。そのゲームに勝ち残る確率が10億分の1。なんとも映画のようなお話しを題材にした映画。

僕もはわりかし期待しながら観に来ていたんだけど、実際はこれがどうもなぁ...う〜ん。どうもお話しが終始盛り上らない。

まず、主人公フェデリコは、大地震の際に生き残ったという強運の持ち主だったが、すっかり運を無くしてしまった男。普通ならここで彼が奮闘し、地下組織で行われる運だめしのゲームに勝ち残る過程を描くんだけど、これが違う。
フェデリコは元々地下組織に属していたが、組織を抜け出そうとした為にボスに運を抜かれ腑抜けとなってしまったのだ。その復讐のためなのか、彼は自分の代わりの強運の男を捜しだそうとする。

見つけ出したのは飛行機墜落事故で唯一生き残ったという強運の男トマス。
フェデリコはトマスを連れまわし、各地で行われる地下の運試しゲームに参加させる。このゲームというのが、単なる運試しというより、だんだん命を賭けた内容にエスカレートしていくのだ。普通では考えられない確率としかみえない異常な光景、どうもこの部分がひっかかり今一つリアリティに欠けるんだなぁ。
そして最後はいよいよ組織のボスとの一騎討ち。
かつて第二次大戦時、ナチスのユダヤ人強制収容所で唯一生き残ったというボスと運を賭けて対決するのだ。

題材はわりとエンタテイメント的な要素を持っているのに、どうも造りはアート的でお話しは暗く説明も不十分。
この監督の作風がそうなのか、それともスペイン映画の雰囲気がそうなのか、もしかして予算の都合なのかなぁ。ちょっと僕にあわない、惜しいね。

次回は「28日後...」をご報告します。