「黒水仙」

07/Jan./2004

  

今回もシネフェスタで韓国の映画、「黒水仙」(2001年)を観ました。
久々に拝見するアン・ソンギが出演している映画。

舞台は現在のソウル。 冒頭、年老いたある囚人(アン・ソンギ)が50年の刑期を終えて釈放される。
そしてその後、都会で謎の殺人事件が起こる。この事件の捜査に乗り出した刑事がイ・ジョンジェ。彼が事件を追う中で、ある1冊の日記を手にする。そしてこの日記を読むうち、50年前に起こった朝鮮戦争下の捕虜収容所での事件にまつわるあるエピソードを知るのだ。

50年前、お互いに愛し合った2人の男女。若かりし頃のアン・ソンギと、イ・ミヨン。当時の時代の流れによって引き裂かれた二人の哀しい物語が綴られる。

アン・ソンギとイ・ミヨンの哀しい恋愛物語を軸に、それが元で現代で起こった事件をイ・ジョンジェが追うサスペンスもののお話しなんだけど、これがどうもなぁ。
朝鮮戦争時代の背景がどういうものなのか僕もよく知らない。捕虜収容所、脱走、そしてそれを追う謎めいた男...。登場する人物の誰もがいったい何者なのかがよくわからない。
容疑者を追って舞台が日本の宮崎県にまで移る(おまけに観光スポットも入る)。しかしそこで話されるカタコトな日本語といい無理矢理な展開だ。結末も結局今ひとつ。非恋物語なのか、それとも刑事物語なのか? どっちにしても中途半端な印象だなぁ。

アン・ソンギが50年前の若かりし頃も自分で演じているのにはかなり無理がある。逆にイ・ミヨンが50年後の老婆も演じているのも変だ。
これならイ・ジョンジェをアン・ソンギの若かりし頃にして、この恋愛話しを中心にした方が良かったと思います。

それにしてもアン・ソンギはもう年かなぁ。役柄からか、おじいちゃんにみえて仕方なかった。

次回は「たまゆらの女(ひと)」をご報告します。