「武勇伝」

19/Jun./2003

  

また天六ユウラク座にやって来て観ましたのは「武勇伝」2002年の邦画。
格闘家の魔娑斗と澤田謙也共演のアクション(喧嘩)映画。新宿歌舞伎町が舞台。
元ボクサーの魔娑斗は毎日何もすることがなく、街をプラプラしている。本当に何もせず、どこへ行くわけでもなくただ歩いています。
一方、澤田謙也はバーを営むマスター。しかしどこか裏社会にも繋がりがあるように見えるんだけど、それも最後までわからない。
こんな二人に共通しているのは喧嘩が強いこと。

お話しは特に目的があるわけでもなく、この二人の喧嘩するシーンの繰り返し。街で出会った男にただ単にちょっと頭にきて喧嘩を始める魔娑斗。店に来た態度の悪い客を叩きのめす澤田謙也といった具合だ。
しかし澤田謙也はともかく、魔娑斗は役者では無いとはいえこの人物設定はなんだ!? 彼は何時でも何処でも誰とでも何でも喧嘩を始めて騒ぎを起こすアブナイ奴。どう考えたって社会不適合者。そんな奴に誰も共感を覚えないし、そんな男に付いてくるヒロインの娘の気もしれない。
タイのプロのムエタイ選手と喧嘩を始めた時にはさすがに劣勢になったのはよかったんだけどね。後は単なる暴力。最後の澤田謙也との戦いも、戦う必然が無いのに無理やり勝負させたような展開から今ひとつ盛り上らない。これなら澤田謙也か魔娑斗のどちらかに絞って描き込んだ方が良かったんじゃないか? 当然魔娑斗はまともな人間の役でね。

この二人のキャストを起用しておいて、監督が何をとりたかったのかは不明。 以前観た「新・空手バカ一代/格闘者」と比べて、意味深なシーンはあるんだけどね。脚本がどうもこうもだったような気がします。

次回は「北京ヴァイオリン」をご紹介します。