「新・空手バカ一代/格闘者」

24/Apr./2003

  

久々に天六に行って参りました。
ここで上映されていたのは「新・空手バカ一代/格闘者」という邦画。故・梶原一騎(巨人の星、タイガーマスク、あしたのジョーなどの原作者)の十七回忌追悼記念作品。
「新・〜」とタイトルがつくことからして、前作にあたる作品があったのかと調べたところ「空手バカ一代」というタイトルで梶原一騎原作の作品がありました。また、この「新・〜」は真樹日佐夫(梶原一騎の実弟)の小説「格闘者」を映画化したものです。

お話しとしては、当然空手家を主人公にした格闘スポーツもの。
空手道場の塾長の息子・狩野丈太郎(永井大)が主人公。彼は門下生百数人を抱えるこの道場の後継者として父の厳しい教えにこたえ空手道をひた走る青年だった。
しかしある日のこと、父親との稽古中、切羽詰まって放った一撃が脳天を直撃。父を絶命させてしまった。事故とはいえ、彼は父を殺したという罪悪感にさいなまれる。この事故以来、丈太郎は空手の道を失い、無気力と堕落した生活に...。やがて道場は閉鎖されてしまう。

主演の永井大は確か戦隊ヒーローもので有名になりだした若手の二枚目俳優だったと思う。彼自身も空手有段者で、本作でもその腕前を存分に発揮している。
ちなみに死んでしまう父親役が真樹日佐夫本人。

一度は絶望した人生だったが、やがて再起しもう一度空手に目覚めるというのも、よくある話しとは言え、それはそれでいい。
しかしこの映画、とにかく内容がシリアスすぎる。丈太郎は何をキッカケに再び目覚めたのか、観ているこちらとしては彼の心境を今ひとつ掴めないない。
それに永井大をはじめ、登場人物のほとんどが表情を変えずに淡々と喋る。みんな能面みたいな表情で台詞を語り続けるのだ。もうちょっと人間らしさを見せてくれてもよかったんじゃないかな。

ストーリーそのものはあってないようなものだからどうでもいい。
この映画の見所はやはり格闘シーン。船木誠勝、橋本慎也、武藤敬司、角田伸朗、薬師寺保栄、藤原喜明などの有名な格闘家たちがこの映画には登場します。
永井大ファンか格闘家好きでもないとちぃとも面白くない作品でした。

次回は「青の稲妻」をご紹介します。