「「あの子を探して」が出来るまで」

15/Apr./2003

  

この日は頂いた招待券で心斎橋シネマ・ドゥへやって参りました。
上映しているのは「「あの子を探して」が出来るまで」。チャン・イーモウ監督99年の作品「あの子を探して」(原題:一個都不能少)のメイキング・ドキュメンタリーです。

実はシネマ・ドゥに行くのは今回が初めて。
座席レイアウトにはちと驚かされました。そして、席の造りというより背もたれが低いのが苦しい。それに壁の鏡は何の意味があっるのでしょうか? よくわからん劇場です。
観客は朝のモーニングショー(といっても11:00)にもかかわらず、20人くらいいたので少しオドロキです。

さて「あの子を探して」。この作品は昨年拝見しましたが、そんなに感動する作品でもなかったというのが正直な感想でした。観ていない方はわからないでしょうが、何ゆえフェイ先生はあそこまでホエクー探しに頑張ったのか、今ひとつ動機がわからなかったからです。
原題にあるように「一人も減ってはいけない」、一人でも生徒が欠けるとフェイ先生は給料を貰えないからだろうか? あまり感心できるエピソードでもなかろうし、なによりフェイ先生自身があんまり可愛くなかったのが致命的でした。

しかし、今回のこのメイキングは制作過程を如実に物語ってくれます。
フェイ先生はやっぱり、あの子しかない。僕に選択権があってもあの子に決めただろう。今になって観れば納得ができます。そう思うと、なんだか可愛くなってきた気がしないでもない(それはないか...)。
ホエクー、素であんな子だったんだなぁ。確かに、勉強しそうにない、やんちゃな子ですね。でも、現在は無事高校にも入学したんだそうです、なによりです。

僕がこのメイキングを観て「やっぱり映画を撮るのは大変やなぁ」と思った。 脚本から舞台設定、キャスティング、実際の撮影と、編集まではこのメイキングには無かったですが、ホンマに時間がかかる。
フィルム代だってバカにならない。NGを出したらもう一度撮り直せばいい、なんて気楽に考えれるわけにはいかない。フィルム代はいくらなのか、結局最後まで教えてくれなかったけどね。そう言えばジャッキー・チェンもフィルムに結構うるさそうだったかなぁ。

それにチャン・イーモウ監督、この人やっぱり凄い人なんだ。
撮影時には、1日2時間くらいしか寝ないらしい。その方が、集中力が持続するからだ、それは確かに言えてる。でもそれが15日くらい続いて、んでもって一気に寝だめする。そしたらまたずっと集中する。その繰り返しが、3ヶ月くらいずっと続くらしい。
鬼やね、ホンマ、よう生きてはると感心します。
あの人がここまで巨匠になったのも、周りのスタッフよりももっと頑張っている、やっぱりそんな努力があってこそなんでしょうね。

一所懸命手間隙かけてつくりあげた作品が、ヒットせず全然儲からんかったら泣きそうですね、ホンマ。
「あの子を探して」を観た方はもちろん、映画というものがどのようにして作られているのかも興味が沸く、楽しめるドキュメントでした。

次回は続けて観ました「小さな中国のお針子」をご紹介します。