「イチかバチか〜上海新事情」

02/Nov./2002

  

続けてホクテンザでの連続上映、「イチかバチか〜上海新事情」です。
東京での<中国映画の全貌2002>ではオープニング記念として上映された作品です。2000年中国の映画、原題は「横竪横」これは上海方言で“思いっきり”という意味だそうです。

「プラットホーム」の上映が終わって時間がお昼を回ったからか、観客もこの映画から観に来た客がちらほら増えて会場は6割がた埋っています。
この映画、実話をベースにしたお話で、その撮影もドキュメント風に撮られている。そしてなんと出演者も、実際の本人達が演じているのだ。

お話しの舞台は上海。会社をリストラされたチャン・バオチョンは、同じようにリストラされた会計士資格をもつ女性チョウ・ユーホウ、身障者の娘を抱えながらも、現在タクシー運転手を営むチョン・リンジュン他4名を誘い、室内改装の新会社を設立した。
リストラされた6人が心機一点に始めた会社経営、まさに“イチかバチか”の賭けであった。しかしいい加減な性格のチャンの経営に借金もかさみ、ついに資金繰りも困難になってきたその時...。

本人達がそのまま出演しているだけあって、彼らの演技がかなり素晴らしい(というかそのまま素なんでしょうね)。
また、余りにも楽観的な考え方のチャン社長に「こいつホンマアホとちゃうか?」なんて思ったりしますが、なんとかやっていけたりして「世の中って(上海の?)そんなもんなんかなぁ〜」とか思ったり、身障者の娘を一生懸命愛情を注いで育てるタクシー運転手のチョンを観てたりすると「あぁ親の愛情ってこういうもんなんだろうなぁ〜」と関心したりと、なかなかごった煮の映画です。

この映画も現在の中国、上海を写しだしたというような作品ですね。
映画の最後で室内改装を発注した客が、追加で注文した扉の取り付け料金をすっとぼけて値切るところが一番中国らしさを感じてしまいました。

次回は「モンスーン・ウェディング」をご紹介します。