「ウインドトーカーズ」

11/Sep./2002

  

この日は久々に映画を観てまいりました。
先週の「13ゴースト」以来なので、実に一週間以上経っている状態だ。ここんとこミニシアター系ではこれといって「観たい!」という映画もなく、9月はあまり本数が増えないような感じ。

さて今日はナビオシネプレックスにて「ウインドトーカーズ」。19:10分の最終回より、7Fのナビオシネでの上映。しかし平日の火曜だし人の入りも全然、開場になっても人は並んでなく、10人にも満たないくらいだ。上映開始までにもちょこちょこ入って来てはいたみたいだけど、ちょっと拍子抜けだね。

映画は僕の好きな戦争映画。主演はニコラス・ケイジ、監督は香港出身のジョン・ウー監督。題材になっているのは太平洋戦争、1944年サイパン島での戦い。

1944年6月15日。日本本土空襲の要となるこのサイパン島に、アメリカ軍は上陸を開始した。この時、アメリカ軍の暗号通信の役を担ったのは、ネイティヴ・アメリカンのナバホ族の兵士だった。日本軍は常にアメリカ軍の暗号通信を傍受し解読していたが、誇り高く、独自の文化を持つ(文字を持たないらしい)ナバホ族の言語は、無線を傍受できても、解読が出来なかったのだ。
こうしたナバホ族の暗号通信兵(コード・トーカー)は各部隊に配属され、また戦場で安全を確保する為に、各1人ずつに精鋭兵士を護衛につけさせた。護衛の任務は暗号の秘密を死守すること。もし、ナバホの通信兵が敵の手に渡るようなことになれば、自らの手にかけなければならない...。

主演のニコラス・ケイジがこのナバホ族の通信兵を護衛するエンダース伍長役。そしてナバホ族の通信兵ベン・ヤージを演じるのはアダム・ビーチという人。カナダやアメリカで活躍し、インディアンを扱った映画にも多数出演している。
ちなみにインディアンという呼称は、コロンブスがアメリカ大陸に到達した(コロンブスは死ぬまでそこがインドであると信じていたので、彼は”発見した”のでは無く”到達した”のだ)。時に、彼ら原住民をインディアン(=インドの人)と呼んだことに由来する。当然ながら彼ら原住民が、自分達がインディアンであると名乗ったのでは無い。実際彼らネイティヴ・アメリカンは500以上もの部族や種族があり、独自の文化を持っている。”赤い人”なのは灼熱に焼けた肌や、儀式や装飾に際し体に塗る塗料が赤いからで、彼らは僕達と同じ黄色人種なのである。ナバホ族もその中のひとつということだ。

この映画も、実際に戦場で有色人種として差別されてきたナバホ族を題材に、彼と彼を守る護衛の男との友情を描いている。ちょっとウルッときてしまうシーンも何度かありました。また敵がすべて日本兵というのが、ちょっと心苦しいようなところもありますが、戦争映画としての描写も非常によく出来ていてなかなか面白い(それにしても日本兵、なんでこんなに弱いのかあっさりやられすぎ!装備が違うのかな?)。

男の友情を描いたドラマとしては少しおざなりで弱いけど、戦争映画としてのアクションはなかなかの好点。個人的にはこれくらいのバランスが丁度あっていたようで楽しめました。戦争映画があまり好きじゃない人はもの足りないんじゃないかな(そんな人が戦争映画観るわけないか)。

今後は拡大系では他に「スターウォーズ」「リターナー」「バイオハザード」とか観ようと思ってます。ミニシアターでは「ジェイソンX」とか、面白くはないんだろうけど観てしまいそうです。それではまたこれからもよろしく、サイナラ!

ちなみに太平洋戦争当時、日本軍の暗号通信もアメリカ軍によって解読されていたという話も聞きます。しかしそんな日本でも唯一、早口で話す鹿児島弁だかどこだかの言葉はアメリカ軍にも解読できなかったとか...。