「銀杏のベッド」

12/Aug./2002

  

この日観てまいりましたのは、動物園前シネフェスタにて「銀杏のベッド」。96年の韓国映画。この映画は99年に大ヒットしたあの「シュリ」のカン・ジェギュ監督が、同じく主演にハン・ソッキュを起用した始めての監督作品。「シュリ」の原点にもなったといわれる映画だ。
土曜の昼さがりですが、観客の入りは10数人ほど。普通この手の映画が公開されているのは2週間というところですが、この映画は公開3週目に入っているということもありまあこんなものでしょう。
また同じシネフェスタでは「ピンポン」が上映されています。しかしこれも観客は並んでいるものの、満席ではない様子。同じピンポンでもテアトル梅田では2館で上映されていて、まだ連日立見が出る程の盛況ぶりなのにこの差はなんなんでしょうか。

さて、映画のお話。
大学で絵を教える画家スヒョン(ハン・ソッキュ)はこの日32歳の誕生日を迎えた。恋人で外科医のソニョン(シム・ヘジン)との結婚も考えはじめる、幸せな日々を送っている。
ある日スヒョンは、街の路地裏を歩いている不思議な夢を見る。翌日、車を運転していたスヒョンは夢の中で聞こえていた琴の音を耳にし、その音に惹かれるように知らない路地裏へと入って行ってしまう。そこには、捨てられていた銀杏の木で造られている1台のベッドがあった。何かが気になって、自分の部屋にそのベッドを運び込んだスヒョン。しかしその日から、彼の身の回りに不思議な出来事が続く。そして突然、何者かに命を狙われた。

彼の危機を救ったのは、古代の衣装を身に付けた謎の女性ミダン(ジン・ヒギョン)。しかしミダンも、いつのまにか姿を隠してしまう。
意味のわからない出来事にとまどうスヒョン。しかしある日、またしても彼は不思議な力に惹かれて見知らぬ街へ辿り付き、そこで一人の老人に出会う。そしてスヒョンはその時老人の口から、銀杏の木で造られたベッドにまつわる因縁の過去の話しを聞かされる...。

古代に恋をした二人の男女と、それに恋横暴した一人の男が現代に蘇って繰り広げられる悲愛のストーリ。なかなか設定はいいんだけど、ちょっと解りにくかったかなぁ。
一度しか会っていないスヒョンとミダンなのに、自分の彼女そっちのけでもう一度ミダンに会い、別れを惜しんだスヒョンの気持ちがわからない。そのせいでまた命狙われているしね。

ひょっとしたらその古代のお話そのものを映画化したほうが面白かったかもしれない。でもハン・ソッキュはちょっとカッコよく無いかなぁ。

まあそこそこの映画でした。お次は続けて観ました「燃ゆる月」です。