「マッリの種」

08/Jul./2002

  

夏ですね。

京都の阪急線の駅も構内に流れるBGMが祭の曲に変わりました。街はいよいよお祭りモードに入ったというところです。

さて、この日観た映画は、動物園前シネフェスタにて「マッリの種」というインドの映画。インドの映画というだけで、興味を惹かれて足を運んでしまいました。観客の入りは、日曜ということもありちらほら30名くらいでしょうか。同じシネフェスタ内では他に「少林サッカー」や「ロードオブザリング」なんかも上映しているのに、この映画を観に来ているとは皆物好きですね(かくいう僕もですが)。

この映画、インドの映画といってもムトゥやミモラのように、お馴染の歌と踊りのミュージカルでは無く、普通の映画です。
1991年、ラジブ・ガンジー首相がひとりの少女の自爆テロによって暗殺された。これは実際にあった事件で、映画はこの事件を題材にしています。
で、お話しの内容はというと、主人公はマッリという名の少女、彼女はテロリスト。歳は19で、インド南部のジャングルにあるゲリラキャンプに属していた。
現在インドには、彼女のように女性のテロリストが戦力の1/3を占めているという。彼女達は幼い頃から、両親や兄弟を失いテロリストにひろわれた者もいれば、家庭の貧しさから組織へ売られていく者もいるという。
幼い頃から組織に属し洗脳されてきた子供達は、まるで感情が欠落したかのように、命を恐れず、また人を殺すことにも何のためらいももたない。そして「降伏より自殺」という掟から、闘士たちは皆、首から青酸カリの入った瓶をぶらさげている。

マッリもそんな女、これまでに30以上もの任務を遂行してきた優秀な女テロリストでもあった。そして彼女はある日、とある”要人”を暗殺する為の、人間爆弾の任務に志願した。自爆テロで死んでいくことを最高の名誉と考える彼ら、「頭脳を持った爆弾」として、マッリは一人任地へと向う。
その道中、マッリはさまざまな人々に出会った。
家族を失い、一人となった幼い少年の案内役。死んだ息子を思い続け、植物人間となってしまった妻と、その老人。彼らと出会い、心を通わせるうちにマッリは、少しづつ人間としての感情を取り戻していく。そしてやがて、彼女はこれまでに経験したことのない、新しい自分に目覚める。

最後の時、マッリは自爆テロの暗殺の為、腹に爆弾を巻いていた。要人の前まで迫った彼女、しかし彼女はこの時、初めて自分の意思で行動をとった...。

この映画は低予算で撮られているらしく、それもひとつウリらしい。その為映像は照明をほとんど使わず自然の中で撮影されているとのこと。特に森の中の水辺シーンなどは、非常に美しくリアルな映像でした。しかし音楽は非常にしょぼい。単調な曲が何回も繰り返されていて飽きてくる。音楽が映画の良さを損なうのというのも、珍しいなと思いました。また心理的な部分を描写するシーンなんかは、ただ画面を真っ暗して、台詞や効果音が入るだけ。ちょっと僕には合わないな、いい題材だけに残念に思いました。
マイナーな映画なのに動物園前で上映しているということもあり、ちょっと期待していたのですがやられた!という感じです。

動物園前シネフェスタでは、8月から「銀杏のベッド」や「燃ゆる月」といった韓国映画が上映される予定です、結構力入ってますね。僕的には中国映画の方が好きだなあ。「金魚のしずく」とか、大阪でも早くどっかで上映してくれないだろうか。他には、藤原紀香が出演する香港映画「SPY-N」(面白くなさそうだけど)とか日本映画だと窪塚洋介主演の「ピンポン」とかが気になります。

7月は観たい映画がちょっと少ないかな。今日はちょっと文章長かったですね(映画が面白く無いほど文章長いような...)。
それじゃまた次行きたいと思います、サイナラ