ツバキに興味を持ちだした頃に思っていたのは「名前の美しさ」。カタログや文献を見ながら、その名前からどんな花なのか想像するだけでも楽しかった。 そんなある日、仕事で京都に行った。取材を終え、大丸さんの屋上に園芸コーナーをのぞいていて見つけたのがこの「星飛龍」。 このゴツゴツした名前から大輪で花弁が多い花だと思った。小さな苗木で、ツボミを持つのは何年か先になりそうだったけど、荷物になるのも構わず、値段も手頃だったので買うことにした。 ところが、いろんなものを調べても、この「星飛龍」という名前が出てこない。おかしいなぁと思い、買ってきた苗をよく見ると、どうやらサザンカのようだ。サザンカの欄を調べるとちゃんと載っていた。 大層な名前の割には、しとやかで大人しい。紅の花弁に僅かに白い斑が飛んでいる。花そのものも小輪で可憐。ただし、花を多くは付けてくれない。 珍しいのは「寒咲き」ということでしょうか。また、成長が著しく遅く、なかなか大きくなってくれません。だから、撮影も一回チャンスを逃すともう一年待たないといけない（言い訳かな？）。 ある朝、咲いているのを発見したんだけど、次の朝には開ききっていた。だから今年はこんな写真しか残せませんでした。ごめんなさい。 （文：04/02/14、写真：04/01/11）

紅　白斑　八重　小輪　早咲き　サザンカ