「ライフ・イズ・ビューティフル」

強引さと、繊細さが同居した「ジーン」とする佳作。


  

梅雨のようなうっとおしい天気が続きますが、みなさんお元気ですか?

さて、今回はみなさん揃ってご覧になられた「ライフ・イズ・ビューティフル」。
まだ、映画館で上映されていたんですね。もっとも、土曜の午後というのに観客は11名と超満員。場所は動物園前のフェスティバルゲートの7階。

あらすじはみなさんよくご存じなので、ここでは省略。しかし、なんと悲しいストーリーでしょう。まったく涙無しでは観ることができません。幼いジョエル少年の無垢な笑顔が印象に残ります。
前半と後半に映画の質がガラッと変わってしまい、前半の恋物語の方がカラッとしていただけに、落差も大きかった。
「そうそう、イタリア映画の恋物語ってこんな風に強引に展開していくのよね」っと懐かしみながら展開していきながらも、ローマから来た監察官の代わりに「アーリア人の偉大さ」を演説させてしまうあたりに伏線も感じましたが...。
駆け落ち同然の奥さんの実家と和解か、と思わせておいて悲劇の幕開け。そして、主人公の空回り的なおしゃべりの底抜けな明るさ。戦争も悲惨だけど、人種差別も悲惨。日本も朝鮮人に対して戦前はこうだったのかなぁと悲しくなります。パーティが終わったあと、道に迷って山と積まれた白骨を目の当たりにしたグイドの心境はどうだったんでしょうか。
「夫婦」とか「親子」とか、いったい「家族」って何なのかなぁ、とつくづく考えてしまいました。
じ〜んと感動する、いい映画でした。

蛇足ですが、ここの映画館ではレスリー・チャン、常盤貴子主演の「星月童話(邦題:もう一度逢いたくて)」をまだやっています。夢みたいなストーリーですがレスリーが割とかっこいいのと香港の主だった場所が出てくるので、香港大好きの森明総務部長あたりには特にオススメです、レストランのシーンでは涙、涙、間違いなし!

さて、次回は台湾の旧作「ラブ・ゴー・ゴー」の予定です。

おしまい。