渺渺/Miao Miao

崩れたケーキにも青春の味がある



  

前日まで「海角七號/Cape No.7」という台湾の作品が上映されていたはず。ありゃ〜、タッチの差で観逃してしまったみたい。そうと知っていれば、ハイキングで疲れていても観に行ったのに...。がっくし。まぁ、しかしこれも巡り会わせ。「海角七號/Cape No.7」もいつかどこかで観ることが出来るでしょう。
というわけで拝見したのが、こちらも台湾の作品「渺渺/Miao Miao」。

少し不思議な、そして透明感があるお話しでした。
日本人なのか、日本人の祖母がいるのか、そのへんは良くわからないけど、とにかく日本からやって来た渺渺(柯佳[女燕])という少女と何かと彼女に世話を焼く小愛(張榕容)の二人のヒロインの何気ない(でもないか)日常を描いたお話し。
で、もう一人、キーを握るっているのが寡黙なCDショップの店長陳飛(范植偉)なんだけど、この彼どことなく若かりし頃のレスリーの面影に似ていると思ったのはボクだけでしょうか?

渺渺は、祖母の初恋の思い出の場所だというケーキ屋さんを探すけれど、ようやく辿り着いた場所にあったのは中古CDショップ。小愛と一緒に何度かこのCDショップに行くうちに、渺渺はいつもヘッドフォンを耳にかけたままの寡黙で無愛想な若い店長に惹かれて行く...。このエピソードが縦の太い軸ね。
そこに、二人の学校でのケーキ作りのお話しや、小愛の家庭の事情などが絡まりながらストーリーは進んでいく。

そして、発売されることなく世界で一枚だけ作られたデモ用のCDを巡ってお話しは意外な展開を見せることになる。
う〜む、これってどう受け止めればいいのだろう?

こうしてCDショップは店を閉め、そうして渺渺は日本へ戻るために飛行機で飛び去って行く。
小愛の手の中には、崩れてぐちゃぐちゃになってしまったケーキが残されてる。でも、見た目はどうであれ、このケーキこそ青春の味が詰まってる。

日本での公開はどうでしょう?
もし、どこかの映画祭で上映されるのであればご覧になってもいいかもしれませんが、わざわざ観るだけの値打ちがあるかどうかは微妙かな。それとも、主演の三人のうち誰かがブレイクすれば、それなりに意味があるかもしれません。
もちろん、ボクの拙い語学力の関係で、大切な何かを見落としているかもしれません。
幾つかの挿入歌、そしてエンディングにボクの好きな陳綺貞(チアーチェン)の唄と曲が使われているのは、かなり好感が持てました、はい。

おしまい。