遠い道のり

賈孝國は一見の価値アリ!



  

この春に香港で観る機会に恵まれた「遠い道のり」が日本でも公開された。観たいな思っていた「練習曲」と前後しての上映だし、せっかくのチャンスだからもう一度観よう。
今年は、グイ・ルンメイちゃん主演の作品が日本も公開されているのだから凄いものです。一時は韓流に押されて、中華圏の映画の公開は激減していたけど、ここに来てようやく息を吹き返した感がありますね。この映画のように掌品と呼びたくなるような作品もあるけど、ここ数年は大陸の資本も入って大掛かりの時代物が増えているかな。中華圏の作品もハリウッド並みのスケールを持つものも少なくないようですね。まぁ、概してそういう作品は物語り的には“なんだかな”って感じの大味なものが多いような気もするんだけど...。

冒頭近くにある、シャオユン(グイ・ルンメイ)の引越しからの一連のシーン、ちびっとカットしてあるというか、編集されているように見えたけど、気のせいかな?
日本語の字幕で初めてわかったのが、録音技師のシャオタン(モー・ズーイー)が寝坊したから職を失ったんだと思っていたけど、実はもう既にその仕事は別の録音技師にチェンジされていたということ。それを忘れてあわてて駆けつけるのも哀しいね。
ボクがこの映画で一番の発見であった精神科医のツァイ(ジア・シャオグオ)は、やっぱりいい味出してる。この人の出演作をもっともっと観てみたい!

途中まで乗っていたバイクをいったいどこに放置してきたんだ? とか、旅館のフロントのおばさんをどうやってケムに巻いたのかなとか、突っ込みどころはあるんだけれど、まぁそれはあんまり気にならない。
それよりも、台湾というと台北しか思い浮かばないけど、当たり前だけど、実にさまざまな場所があり、美しい自然もたくさんあるんだ。現地の人たちとトラックの荷台で歌いだすのには、ちと驚くけどね。
人って、いろんな理由で旅に出て、旅に出ることによってその理由が解消されるわけではないけれど、日常から切り離された場所で息をして、食べて、しゃべるだけでずいぶん変れるものなんだな。

ただ、この作品に関しては、日本語の字幕がない状態で想像力を膨らませながら拝見したときの方が、より感情移入できたような気がします(まぁ、初めてと、二回目ということも小さくないけど)。
グイ・ルンメイちゃんもいいんだけど、やっぱりジア・シャオグオ(賈孝國)という存在感があるへんてこなおっさんに是非是非注目していただきたいものです。はい。

再見!