カン・チョルジュン 公共の敵1-1

6年ぶりの同窓会ですか



  

「悪い男/Bud Guy」を観終わって、打ちのめされてふらふらになって劇場の外に出ると「公共の敵/Public Enemy」の看板も出ている。ここ(鐘路のコア・アート・ホール)でも「公共の敵」を上映しているのだと気が付いて、そのまま観た。
それが2002年のことだから、もう6年も前のことだとは、本当に光陰矢のごとしで、中年のおっさんはますます老いていくわけだ。

途中に「公共の敵2」という作品も公開されているけど、これは未見。
今回の「カン・チョルジュン 公共の敵1-1」というタイトル、この“1-1”という部分が気になるなぁ。きっと“2”ではカンチョルジュン(ソルギョング)が刑事ではなく検事になっていたので、その続きではなく“オリジナルの続編ですよ”という意味だろうか?

悪い話しではないけれど、“1”のようなインパクトはなく、敵役のチョンジェヨンも“1”のイソンジェのような迫力がない。
このお話しがもう一つなのは理由が二つあると思った。一つは、カンチョルジュンの刑事以外の素顔には、(観客は)さほど興味がないということ。このお話しには、彼の家庭の事情や幼い娘や老いた母親や、借家暮らしなどはあまり必要ではなく、刑事の仕事としてのソルギョングの活躍や悩みを見せて欲しかった。
もう一つは、チョンジェヨンがどうして高校生たちを養成してヤクザのような手先を持つ必要があるのか、その理由が希薄で説得力が無い(その理由がさっぱりわからない)。このお話しの立脚点がさっぱり弱い。何も自ら乗り出さなくても、財閥のトップなんだから、自らの手を下さなくても、お金で解決できたでしょ(きっと)。

お話しが弱いから、サイドストーリーに力が入る(?)。まるで同窓会。そうか〜、6年間というのはこんな時間の流れがあったんだ。
ソルギョングはすでにスターだったけど、カンシニルはどこにでもいるようなバイプレーヤーから、押しも押されぬなくてはならない準主役まで成長している。
イムンシク。彼はカンチョルジュンにいじめられるだけの露天商だったのが、運転手付きの経営者になっている。彼もこの6年で本当に変りました(いい意味でね)。
ユヘジン。こちらも1では取調べを受けるナイフ使いのマジシャン(やったかな?)だったけど、今回は肉屋の経営者。ボクはヒラメちゃんと思っていたけど、ほんといい役者さんになりました。「王の男」でも大事な役で出てたしね。

この日は公開最初の週末。アックジョンのCGVでの舞台挨拶があった回を拝見しました。しかし、最近のソウルでは一日中(?)舞台挨拶をしているので、広いスクリーンも満席には程遠い入り。なんか、映画の人気も下り坂なのかなぁと思ってしまいます、それともシネコンの乱立でスクリーンが増えすぎなのかな?
ナマで見るソルギョングは、照れくさそうな顔をしてましたょ。

まぁ、“1”ご覧になった方はそこそこ楽しめますが、いきなりこのお話しをご覧になる方は少し難しいかもしれません。そんなお話しだと思います。

あんにょん