無防備都市/Open City

どうもピントがあっていないような...



  

暮れにソウルにお邪魔したときにはまだ公開されていなかった韓国のお正月映画、ヒットした作品はまだ何本か続映されていました。
地下鉄の忠武路駅に直結している大韓劇場。ここで拝見してきたのはソンイエジン主演の「無防備都市/Open City」。

ソンイエジンといえば、やっぱり「クラシック/The Classic/(邦題:ラブストーリー)」とか「恋愛小説/Lover's Concerto/(邦題:永遠の片想い)」のような、清楚でどこかはかなげな弱さがある少女って感じが固定化されているような気がするけど、最近では一転して「ナンパの定石/The Art of Seduction」で見せたような従来のイメージを覆すような役柄にも挑戦している。
そして、今回の「無防備都市/Open City」で挑んでいるのは、影がある女スリ。それになぁ、ソンイエジンの厚化粧や際どい衣装は何故か似合わないような気がする...。彼女のチャレンジする姿勢は大いに評価したいけれど、やっぱりソンイエジンには従来の路線で“恋する乙女”を演じ続けてもらいたいと思うのは、ボクだけなんでしょうかねぇ...。

冒頭。いきなり大阪駅が出てくる!
「おっ! 知らん間にソンイエジンが大阪駅でロケしてたんか!」「知ってたら何をさておいても見に行ったのに!」と思っていたら...。
確かに流れている駅のアナウンスはJR大阪駅のそれだったけれど、映される風景は大阪駅とは全然違うもので、この自動改札はどうみてもソウルの地下鉄のものやで...。う〜、やっぱり彼女は大阪には来てくれてはいなかったのか...(がっくし!)。
それにこの映画を観ていると、韓国(ソウルだけ?)はまるでスリ天国で、危なっかしくて大金を持って歩けやしないと思う。もっとも、掏られるのを心配するだけの大金をボクが持ち歩くこともないけどね...。

ちょっと中途半端な印象を受けるのは、この映画のテーマがアクションにしては大人しすぎるし、ラブロマンスにしては感情の波がなさ過ぎる。アクションかロマンスかに焦点を絞ればもう少し違った仕上がりになっていたかもしれないけど。テーマの特異性と主演の二人で引っ張るにはこの程度が限界だったのかな。

少しだけ伏線が張られているお話し。
簡単に説明すると、東京や大阪へも進出するスリ集団(?)の若き女ボス(ソンイエジン)と彼女を追う刑事(キムミョンミン)との間で繰り広げられるやり取り。そのなかで面白いのは、お互いをお互いとは認識しない出会いがあったことと、ソンイエジンの母親とこの刑事及びその母親(?)との過去に何があったのかという部分が話しを引っ張っていくんですね。知ってしまえば実も蓋もないので、そこからはご覧になってのお楽しみでいいのではないでしょうか。

日本で公開されるのかは不明ですが、ボクが知らないだけで、実は刑事役のキムミョンミンが人気がある方なのあれば、公開されるかもしれません。でも、どこかの映画祭程度かなぁ...。
強くオススメはしませんが、ご覧になってもソンはしない程度のお話しだと思います。

この映画の中でソンイエジンとキムミョンミンが、お互いの素性を知らずに出会ってから入るコーヒーショップが「セブンモンキーズ・コーヒー」というスター・バックスのようなチェーン店。ボクはこの映画を観るまでその存在を認識していなかったんだけど、なかなかかわいくてかっこいい! で、探して行ってみました。確かにしゃれたコーヒーショップなんだけど、果たして次回にボクがソウルにお邪魔するまであるのかなぁ? ソウルはこの手のコーヒーショップが乱立していてて過当競争気味だしなぁ...。一番わかりやすいお店は、coexのmegaboxのすぐそばですね。一度どうぞ!

あんにょん!