美女はつらいよ/200 Pounds Beauty

ケンチャナ・コールにほろりと...



  

日曜の午前中からソウルで買ってきたVCDを見てもいいのか、若干の疑問があるけれど、そこは夏休みにする小学生の宿題と同じで、暑くなる昼までにしてしまわないと、昼からはとてもじゃないけど映画なんて見ていられない。そろそろ寝ゴザを出さないとあかんなぁ...。

現地では2006年の年末に公開され、予想を覆す大ヒットで爆発的に観客動員を増やしたばかりか、とうとう大鐘賞ではキムアジュンが主演女優賞をかっさらってしまった作品。
これが、日本でも公開されるかは、少し疑問。なぜなら、日本でもネームバリューがありそうな、いわゆる“韓流スタア”は出ていないから。「武士/ムサ」のチェジンモも出演しているけど、なんだかもう一つだしなぁ...。キムアジュン、ついこないだまでボンテギュを相手にして本の装丁師をしていた(「クァンシクの弟クァンテ」)ように、ブレイクとは程遠い存在だったのになぁ...。今回、顔立ちが意外とソンイェジンに似ていることに気が付いた。
それでも、実はゲスト陣は充実していて、タクシーの運転手にイボムス、警察官役にリュスンス、冒頭の占い師にイウォンジョン、整形外科の先生にイハンウィ(この人「8月のクリスマス」の影響でこの顔を見ると、どうしてもテコンドーのお師匠さんだと思ってしまうのはボクだけなんでしょうか?)。などなど、そこそこの顔ぶれが揃っているんですね。
でも、お話しそのものは面白いし、爆笑させられて、そしてホロっとしてしまう。まるでそのまま人情コメディの王道を行くストーリーだけに、是非、国内でメジャー公開してもらいたいものですね。期待しましょう!

(本当にこんなことがあるのかどうかは知らないけど)踊れてルックスが良い女性シンガー・アミー、只今売り出し中。でも、実はその歌声はからっきし駄目、のど自慢でも鐘ひとつレベル。レコーディングはもちろん、コンサート会場でも別の女性がモニターを見ながら吹替えで歌っていたのだ!
その吹替えの女性歌手ハンナ。その歌唱力は多くの人を惹き付ける魅力を持っていたのだけれど、100キロはあろうかという巨体に冴えない風貌だった。どんな女性でも、やっぱり恋はするし夢も見るのは当たり前。そして一念発起して吹替え歌手ハンナが挑んだ手法とは...。

お話しそのものは、文字通り「観てのお楽しみ」なのですが、抱腹絶倒だけではなく、ちくっと風刺も効いている。
しかし、つくづくこの世の中って見た目が大切なんだなぁ。これは風刺でもなんでもなく、純然と存在している基準であって、見た目が良い人はそれだけでどれほど得をしていることか...。もちろんそんな特典に恵まれていない多くの人々(ボクも含まれるんだけど)は、何とかその“見た目”を克服しようと涙ぐましい努力をするのか、それとも「エイ、ヤー」と思い切って整形手術をしてしまうのか...。
ただし、ここでのお話しはあくまでもコメディ路線。そんなに深刻にはなりません。同じ整形というテーマを扱ったキムギドク監督の「絶対の愛」とは導き出されているものがかなり違います。

忘れてならないのは、主演のキムアジュン。なんと映画中は全て自分で唄っていることを後で知りました。てっきり、ストーリー同様に吹替えに違いないと思い込んでいただけに、びっくりしたなぁ、もう。こりゃミュージカルスタアを目指して欲しいものです、はい。まず、サントラを買いましょう!
このキムアジュン。決して芝居や演技がお上手ではないので、今後もコンスタントに活躍出来るのかどうかは、かなり疑問だなぁ...。

神様は人に一つだけ贈り物を施してくれると、何度かそんな台詞が出てくるんだけど、神様、ボクにはいったい何を授けてくださったんでしょう?

ソウルでDVDを探したのですが、何故かまだ発売されていないらしくて、VCDを買いました。いつもならDVDの方が早く発売されるのに何でかな?
バカらしいのですが、腹を抱えて笑って、それなりにホロっとします。まずまずのオススメ。言葉の関係でギャグの理解度がかなり低いので、日本語字幕付きで上映されるのなら必ず観に行きます。また、満員の劇場で爆笑の渦に包まれて観る方が面白いのは間違いありません(ちゅうことは、香港で観るのが正解かな?)。

おしまい。