私のちいさなピアニスト

安心して、ほっとできますょ



  

原題は「ホロヴィッツのために」だったけれど、邦題は「私のちいさなピアニスト」。珍しく悪くない邦題だと思った。
「こうなるんだろうな」と思いながら観ていて、そのままにお話しは進んでいき、意外性はないものの、それも悪くないなと納得しながらエンディングを迎える。
芸術とか才能とは一体何なのか、そんなことを思わず考えてしまう。才能はあっても、それを伸ばすためには金銭的にも時間的にも余裕が必要だし、もちろんチャンスも必要なんだな。

並か並以上の才能はあったし、その才能を伸ばすための教育やレッスンを受けるチャンスも人並み以上にあった。でも、こうしてしがないピアノ教室を開いているのは、海外へ留学するという人並み以上の機会に金銭的に恵まれなかったのだと思っている。海外に留学して、華々しく活躍している学生時代の友人に嫉妬してしまう...。
そんな冴えない毎日を送っているジスの前に現れたのがキョンミン。ひょっとしたら、天才ピアニストの師匠として脚光を浴びることが出来るかもしれない...。ジスがそんな夢を描いたとしても、誰が彼女を責められるだろう...。

原作があるお話しなのか、それとも書き下ろしの脚本だったのかは知らないけど、このお話しはまさにオムジョンファのために作られたお話しのような気がしました。
このオムジョンファとキムジョンウン。この二人は難しいお年頃なんだけど、演技は間違いなく上手い、アイドルとは一味も二味も違ってお芝居が出来る女優さんですね。

お話しそのものは、いささか「どうかな〜」と思わないわけでもないけど、安心して身を任せて観ていられるお話しだと思います。

おしまい