海でのはなし。

なんとも不思議な作品です



  

宮崎あおいと西島秀俊が主演するかわいいお話し。

しかしなぁ、ボクはスピッツというバンド(?)を全く知らないのが惜しい。映画の中で流れてくる何曲かは耳にしたことがあるけれど、じっくり聴いたこともなければ、そのメロディを耳にしたとたんに条件反射的に思い浮かぶ想い出もない。
この映画、ボクのような人が観るのと、スピッツに思い入れがある人が観るのでは、全く違う意味を持つのではないか。きっとそうだろうな。となると、ボクはこの映画の半分も楽しめていないのかもしれないと、ちょっとひがんでしまう。

主演のこの二人の顔合わせは、昨年観た「好きだ、」でもそうだったけど、あの作品ではこの二人が同時に画面には登場しなかった(はず)。いまや、二人ともトップスターだもんな。
この映画そのものは、丁寧に作られてはいるけれど、正直云って作品と言うよりも“スケッチ”のような感じ。そんな軽い画面なのに、結構重いエピソードが塗り込められていて、そのアンバランスさが魅力なのかもしれない。

二人の身の上にのしかかる(?)境遇。それはそれぞれへヴィー級で、しかもかなり個人的な事情。
だけど、それをお互いにはぶつけはしない。ぶつけるのではなく、内包してこらえきれなくなると爆発しうてしまうのは...。
そんな感覚がわかるような、理解できないような...。

それが悪いことではないけれど、この作品は“万人に受けなくてもいい”という思想で撮られているんだろうな。“スピッツの曲を聴きながら、共感したことがある”人が、より一層楽しめるようになっているのだと感じました(ちょっとひがみが入ってるかな?)。
面白くなかったわけではないけど、共感も出来なかった。一言で表現するなら、なんとも不思議な作品です。

おしまい。