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18歳のスン



  

あらかじめストーリーは知っているので安心して観ていられる。
そして、やっぱり日本語字幕の偉大さを思い知らされる。まぁ、裏返せば、いかにボクの語学力が貧弱で、なおかつ想像力が旺盛なのかが、よ〜くわかる。

ボクは、昨年(2005年)の暮れに韓国で拝見しています。
あの時には“福岡アジア映画祭かシネ・コリアで上映してくれないかな”と書いたんだけど、アジアフォーカス・福岡映画祭2006で上映され、そして大阪でも大阪アジアン映画祭2006で上映してくれた。12月に入ってから、新宿シネマートでは劇場公開されているので、ひょっとすると心斎橋のシネマートでも上映されるかもしれませんね。
ボクが観た映画でも、オススメという作品はそんなに多くないけど、この映画は安心してオススメできる。まぁ、10代の若い人には理解できないかもしれないけど、それ以上ならまず間違いなく興味深くご覧いただけるのではないでしょうか。

韓国ではなんだかコケてしまったようだけど、日本ではある程度のヒット間違いナシのイビョンホン主演の新作映画「夏物語」のヒロインを演じているスエと、「トンマッコル」や「小さな恋のステップ」のチョンジェヒョンが主演。
可笑しくて面白くて、そしてホロっとする。そして、最後には温かい気持ちになれる。

ここでボクが、ストーリーを紹介しても、もう仕方ない。
この映画をご覧になるのに前情報はそんなに必要は無い。間違いなく傑作で、面白いです。それは太鼓判!
不思議な気がしたけど、何だか「寅さんシリーズ」を観ているような気がしてました。

ショルダーバックをたすきにかけて一生懸命街の中を駆け抜けるマンテク。
垢抜けないとか、恋の駆け引きとか、そんなものは超越していて、まるで中学生のように純真な彼の姿を追いかけるだけでジーンとします。

実は、この映画、何も考えずにストーリーを追うだけでも充分に楽しめるのですが、違う見方も出来るのもミソだと思う。
それは、どうしてウズベキスタンに高麗人と称する朝鮮族が住んでいるのか。韓国の農村でも深刻な嫁不足が進行していること。そして、朝鮮半島の南北問題がこんなストーリーにも色濃く反映されていること。もちろんボクにはそれらの深い理由を知るわけではないけれど、そんなことを考えながら観るのもいいことかもしれません。
チョンジェヨンとスエだけでなくユジュンサン(パクヒチョル、マンテクの親友)、キムソンギョム(マンテクの祖父)、キムジヨン(マンテクの母)、パクキルス(髪の薄い見合い仲間)、キムスネ(ララの妹)と脇も素晴らしいです。

興行的にヒットするのは難かしいと思いますが、チャンスがあれば、是非ご覧下さい。オススメです。

おしまい。