靴に恋する人魚

ビビアンスー、元気にしています



  

ボクにしてみれば、どういういきさつか知らないけれどビビアン・スーが日本でメジャーデビューしてTV番組に出て、普通の方々に認知されていることそのものが驚きだけど、普通の人たちにしてみれば、そのビビアン・スーが地元の台湾の映画に出ていることが不思議だそうだ。う〜、そんなものなのかなぁ...。彼女(ビビアン・スー)は台湾だけでなく、中華圏の広域でスタアだと思っていたんだけど...。

主演はビビアン・スーと「僕の恋、彼の秘密」でプレーボーイ役を演じたダンカン・チョウ。そして魔女のような靴屋さんにタン・ナ(この人「愛情来了(邦題:ラブゴーゴー)」に足の悪い役で出てたんですね)。極端な話し、ほぼこの3人で構成され、その他の方々は脇に徹している。
お話しは、ほんわかとしたまるで絵本のようなストーリー。いや、きっと絵本が原作なんでしょう、きっと。

メッセージ色は極めて薄く、啓蒙的なお話しでもない。強いて言えば、夢は諦めるなということでしょうか。
足が悪く歩くことが出来なかった少女。手術を経て歩けるようになってから、彼女は靴が持つ魅力に取り込まれてしまう。そして...。

ダダ(ビビアン・スー)は、絵本を出版する会社に事務員として勤めている。この会社の社長以下のメンバーはかなり傑作。彼女がいつも原稿を取りに行く挿絵作家(?)のビッグ・キャットも笑わせてくれる。そして、たまたま出かけていった歯科医スマイリー(ダンカン・チョウ)と出会い結ばれるのだが...。

ダンカン・チョウのキャラクターもなかなか面白い。そうか、眠っていても、カーテンではなくこんなふうに帽子で日よけをしてくれればうっとりしたまま眠り続けられるのね。彼は「僕の恋、彼の秘密」とは全然違う役で、思わず吹き出してしまいそう!
ボクも靴は好きだけど、こんなふうには好きにはなれない。もう偏執狂というか、コレクター。いやいや靴の魔力とはすざましいものなんですね。
別に毒にもクスリにもならないお話しですが、クリスマスの夜にでも二人で見るのにはぴったりかもしれません。但し、この映画を観るからにはクリスマスプレゼントは...、やっぱり靴にしないといけないでしょうね。

おしまい