愛してる、マルスンさん |
地味だけど、主演の二人がいい |
抒情的なお話しだと思った。 だからと言って、このお話しの魅力が減じるわけではない。それどころか、年を経ているからこそ、母への追慕の念は増しているのではないかな。難しい言葉を知らなくても、化粧が濃くても、紅茶を音を発てて飲もうと、自分の母親は一人しかいない。そんな懐かしさが、優しさがこの映画の画面にはあふれている。
息子はイジェウン。この子は「先生、キムポンドゥ」「花咲く春が来れば」でもそうだったけど、なかなか芝居が上手い。華はないけど実はあるタイプで、今は子役だけどこれから先が楽しみで仕方ない。上手く大人に成長して欲しいものです(もう少し身長も伸びて欲しいけどね)。
ただ、お話しが美しすぎて、そしてある意味とっても地味。誰もが哀愁を持って観るのでしょうが、それが感動にまでは至らない。いい話しだけどパンチが足りないのかな。 アクセントになっているのが、家で下宿しているお姉さん。この人、確か「スーパースター カム・サヨン」に出ていたユンジンソかな。ちょっと大人し目のお姉さんを上手く演じてますね。お尻に注射のシーンには笑ってしまいました。 それにしても、あまり(ほとんど?)語られなかった父親。そして、幼い妹を抱えながら、母親の実家があるにもかかわらず、ソウルで暮らし続けた理由は何なんでしょう? これらがもう少し上手く処理されていたら、もっといいお話しになっていたかもしれませんね。 とにかく、主演の二人におんぶにだっこのこの作品。日本での劇場公開はどうでしょう? シネマコリアという企画でなければ字幕付きで拝見することは不可能であったかもしれません。そんな意味では、この作品の選択は、まさしく慧眼と言えるのではないでしょうか。ほんとうにありがとうございました。 あんにょん。 |