拍手する時に去れ

一筋縄ではいかないお話しです



  

一筋縄ではいかない。
これ、もし字幕ナシで観ていたら大混乱に陥っていたと思う。

今年も十三のナナゲイで開催された「シネマコリア」。今年は6+1という太っ腹なラインナップ。事前に拝見した作品とのダブリもなくとっても楽しみにしていました。
それに、このところのナナゲイはすっかり調子づいていて、本当に良くお客さんが入ってますね。

ホテルの一室。ベッドの上で女性の刺殺死体が発見される。捜査に乗り出した警察はホテルに残されていた防犯ビデオを分析した結果、そのビデオに写っていた男性を犯人と断定。
しかも、その男はホテルの敷地内で確保され、わずか数時間でこの殺人事件は解決したかに見えたのだが...。

捜査員にチャスンウォン。容疑者にシンハギュン。その他に脇もなかなか豪華な出演陣。
あんまり出番はなかったけれど、徹夜続きでほとんど眠らせてもらえない映像分析担当のお兄ちゃんも良かったですね。

こともあろうに、この捜査の模様が、ライブ映像としてTV番組内でオンエアされ、スタジオでは識者と視聴者が公開討論を行うなど、事件の本筋とは関係ないところで盛り上がる。
シンハギュンの拘束は誤認逮捕だったのか、もしそうだとすると本当の犯人はどこにいて何をしているのか。捜査の段階で様々な疑惑が浮上し、消えていく。異様な雰囲気の中担当捜査員のチャスンウォンは...。

韓国の映画を観ていると、時々、日本だったら明らかに「刑事」なのに、字幕では「検事」となっていることがある。刑事と検事の実務上、法律上の業務や身分の違いは知らないし、日本と韓国での違いもわからないけれど...。
今回も捜査を指揮して犯人の検挙を行うチャスンウォンも「検事」となっていたなぁ。

犯人は誰なのかという謎解き。TV公開捜査という異様な雰囲気。そして、素顔が見えてこない被害者。
お話しとしてはよく練られている。でも、それらが上手く融合して一つの映画として成功していたかは、少し疑問。どうもすっきりしない後味だったのも確かだと思う。

それにしても、シンハギュン。
神経質で常軌を逸したような、こんな役ばかりではもったいない。せめて、年末公開の「トンマッコル」程度に明るい役がいい。あるいは「サプライズ」のような...。

どこかで上映されるチャンスはあるかもしれませんね。お時間があればどうぞ。
そうそう、タイトルにもなっている「拍手する時に去れ」の意味がわからなかったなぁ。誰かご存知だったら教えてください。

あんにょん。