13歳の夏に僕は生まれた |
新しい世界に出逢う |
世の中の仕組みや、自分がどんな立場に置かれ、どんな境遇に立っているのか。そんなことに気が付くのは、好むと好まざるとに関わらず、自分の殻を破って異界との交流を経てだ(まぁ、いつまでたっても、どんなことがあっても気が付かない人も少なくないけどね)。 それが緩やかな交流である場合もあれば、いきなり別世界に放り込まれてしまう場合もある。 今まで知らなかった世界がある。それは憧れの場所なのか、それとも見なければ、知らなければ良かった。出来れば知らずに目をそむけたい別の世界なのか。
サンドロ。
同じ人間で、同じように苦労をして生死の境をくぐりぬけて来たのに...。いや、それどころか、この兄妹がいなければボクの命は終わっていたのに...。
人間の成長とは、今まで知らなかった世界に出会い、そして新しい価値観を知ることなんだな。その新しい価値観を知ること、受け入れることは全く別物だし、新しく出会った価値観が正しいものなのかどうかもわからない。 裕福な家庭に育ったサンドロは、誤ってヨットから海中へ転落する。助けを呼ぼうにもどうしようもない。海中に呑込まれる寸前にサンドロを救ったのが、不法移民を満載した船から飛び込んだ青年ラドゥ。船に引き上げられ目を覚ましたサンドロは異様な雰囲気におののくが、そんなサンドロを手助けしてくれたのが、ラドゥと妹のアリーナ。何とか沿岸警備に保護された移民船。サンドロは自分の命を救ってくれたこの兄妹を助けたいと思うのだが...。
楽しいとか、気分が晴れるというお話しではないのですが、ご覧になる価値はある作品だと思います。「輝ける青春」(あまりの長さに観逃しちゃったなぁ...)のマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の作品。 チャオ! |