吹けよ春風

廣寒楼のほとりで...



  

東京出張プラスアルファからの帰り道は神戸空港着のフライト。
高度を落とし、着陸態勢に入って雲が切れると眼下には明石海峡大橋。なんだか不思議な気がしました。そうこうしているうちに、あわわっと着陸。ちびッ子のターミナル、雰囲気は地方空港そのまま。でも、すぐにポートライナーに接続して、三宮までも本当に近い。でも、そうさんが迎えに来てくれるなら伊丹の方が便利かな。いやいや、最終の設定が伊丹行きよりも40分遅いのも魅力。必要に応じて使い分けることになりそうです。

で、神戸に舞い降りた翌日はアメリカ村へ。
シネマート心斎橋で開催中の「韓流シネマ・フェスティバル2006」の第二クールが始まっている。この日は三本拝見する予定。先週のこともあるから、少し早めに出かけた。劇場側も少しは慣れたのか、捌き方も上達していて、今回はほとんどストレスは感じなかった。そもそも、お客さんも先週ほどではなかったしね。

キムスンウとキムジョンウン(「家門の栄光/大変な結婚)の主演。何も期待していなかったけれど、なかなか面白いコメディでした。ちょっとヒネリ過ぎかなと思わないでもないけれど、演じる側も観る方も、肩の力がほど良く抜けてすんなり映画の世界に入りこめます。
このキムスンウという役者さんは真面目な役よりも、この作品や「ライターをつけろ」のような、ちょっと情けない三枚目の役がいいですね。 脇もいい。次々に恋をしてしまう友人にはチャンヒョンソン、大学の恩師にピョンヒボン、教会の堂守にソンジルなど手堅くいい味を出してますね。

遅筆で売れない小説家ソングク(キムスンウ)が主人公。創作活動のストレス解消方は、近所にある教会の玄関にゴミを不法投棄することを兼ねた早朝ジョギング。売れないのに一軒家に住み、弟子まで取っている。その上、極端な倹約家で、厳寒期なのに床暖房を付けないし、ケイタイではなく未だにポケベルを愛用している。
そんなキムスンウの家に、下宿人が押しかけてくるところからお話しは大きく動き始める。その下宿人こそファジョン(キムジョンウン)。静かに創作する環境とは程遠い彼女を追い出そうとあの手この手で挑むものの、敷金は父親が受け取ってしまっている。仕方なしに共同生活をスタートさせるのだが...。

江原道の牧場へ出かけるエピソードなどのスパイスを効かせつつ、物語りはトントンと進んでいく。テンポは悪くないのだけど、お互いに自分の気持ちに正直に気付くシーンをもう少し上手く表現してほしかったかな。
必見ではありませんが、手堅いコメディとして、十分お楽しみいただけるとは思います。
最後のシーンが南原なのには少し笑ってしまいました。次に韓国へお邪魔する時は、ボクも南原へ寄ってみようかな、そんな気になりました。いやいや、そんなことよりも、この二人が共同作業で執筆した(?)作品をどうしても読んでみたくなるのも間違いなしですね。

あんにょん。