盗られてたまるか

盗まれるのを阻止するのは、父親のプライド?



  

つい先日、ソンソンミが結婚したと何かに載っていた(お幸せに!)。
彼女は背が高くて美人だけど、ちゃきちゃきっとした役よりも、なんかちょっとつかみどころがなくて、この映画の中のように少しボーっとした役が似合っているような気がします。
相方にはパクサンミョン。そして、もう一方の主役には、まるで「おまえはイソンジェか!」と見間違いそうになるソジンプ。
お話しは日本のTVドラマのリメイクだそうだけど、ボクはその元作は見てないのでわからない(竹中直人と明石家さんまだったそうです)。
シリアスなドラマではなくコメディだから、何故とか、どうしてなどと考えながらこの映画を観てはいけない。

とにかく、(きっと水原だと思うけど)公務員であるパクサンミョン。軍隊が野戦訓練をするようなとんでもない郊外に家を建てたところからこのお話しはスタートする。
そこは今は何もない草原(?)の中の一軒家。近々住宅地として大々的に開発が進むはずだった。美人の奥さんと一女一男に恵まれ、しかも新築のマイホーム。端から見ていると、まるで絵に描いたような幸せな家庭のようだけど...。
一方、TVゲームのソフト開発会社を立ち上げ、独自のアイデアで成功。一躍青年実業家として脚光を浴びているソジンプ。彼のストレスの捌け口は、深夜に入ってはいけない、いや、侵入が困難な場所に入り込むことだった。そんな彼が、たまたま次のターゲットに選んだのが、雑誌に掲載されたパクサンミョンの野原にポツンと建つ桃源郷(?)だった。

重ねて言うけど、何故とかどうしてなどと考えてはいけない。
あんな赤いスポーツカーで乗り付けたら、バラバレやん、と思ってもいけない。

警察とか公権力とは全く別の次元にあって、そして映画らしく安心して楽しめる作品。
ソンソンミの特製手料理や冷蔵庫に付いているメイルの受送信装置、娘さんがSHINWAの熱烈なファンであること、息子が発明する役に立たない泥棒撃退グッズ(?)など、コネタもいい味出してますね。それにパクサンミョン一家の寝姿なども爆笑を誘います。
単純に笑いたいときにはぴったりな作品ではないでしょいうか。

パクサンミョンの息子さんを演じているのは「九歳の人生」で主演している子役の子ですね。ちらっと出てくる警官イムヒョン。この人はヤクザか警官が多いです。
ソンソンミはいろんな作品に出ているけど、ボクには「菊花の香り/Scent of Love」が一番印象深いかな。パクサンミョンは、この映画や「花嫁はギャングスター」での情けない役が似合う(「いい人がいたら紹介して/パーフェクト・マッチ」でもそうでしたね)のだけど、実は「リベラメ」で誠実な消防士の役が良かったですね(もちろん「反則王」でのレスラー役でもいい味出してたけど)。

今年の韓流シネフェスが開催されているのは、心斎橋のアメリカ村にあるビッグステップの4階にある「シネマート心斎橋」。
だから、実は悲しみのうちに幕を閉じた「パラダイスシネマ」があった場所なんですね。ヘラルド系から松竹系の「パラダイススクエア」に転身して、そしてようやく再びミニシアター系、しかもアジア専門館として復活(?)したのは嬉しい限りです。
でも、この初日の劇場の対応には不満がある。どうのこうのとはグダグダ書かないけれど、まるで素人同然の対応には怒りではなくあきれてしまった。こんなことをしていたら、映画を映画館で観よう、楽しもうとして足を運んだ大勢のお客さんが「やっぱり、ビデオかDVDを借りて家で見よう」と思ってしまうんじゃないかな? せっかくアジア専門館としてリニューアルしたのに惜しいな。

アンニョン!