ククーシュカ〜ラップランドの妖精

言語は意外と意味を持たない



  

上映されるタイミングが少し遅くなることを除けば、意外なことに関西の方が映画を楽しめる環境が整っているのかもしれない(いや、ほんの少しだけマシなだけ?)。
そんなことをつい思ってしまうほど、渋谷のシネ・アミューズは映画を楽しむには苦しい環境。関西だったらきっと京阪神の映画館で順次上映されるから、スクリーンも時期も融通が利くケースが多い(まっ、そうじゃないことも多いけどね)。いやいや...。映画館の環境そのものはさておき、ちゃんと上映されることを素直に喜ばないとね...。

いつもは観ることがない国の映画が公開されるのは楽しみ。今回はフィンランドの映画。
フィンランドはムーミンやサンタクロースの国だとは知っているけれど、裏返せばそれ以外のことは何も知らない。かつて、同じビルにフィンエアーが入っていたので、同じビルのよしみでエアを安くしてくれないかと思ったことはあったけど...。結局、お願いすることもなく引っ越してしまった(ちなみに、今のビルにはカタール航空が入っています)。

乱暴な言い方をすれば、日本語字幕が無くても良かったのかもしれない(この映画、他の国でも字幕付きで上映されたのかな?)。
ボクは比較的字幕無しで映画を観ることが多いと思う。字幕が無いと、わからなかったり、勝手に自分でお話しを創作してしまったりするけど、その映画を理解しようと一生懸命、集中して観るのは間違いない。字幕を追いかけない分、画面を必死になって観る。小さな表情の違いや画面に隠されているかもしれないヒントを見逃さないように。
この映画は、セリフによるおかしさや面白さももちろんあるのだけれど、言葉の意味がわからなくても構わない部分も大きかったんじゃないかな?

北欧の国々も第二次世界大戦に参戦してたんだ。フィンランドはドイツと共に闘っていたそうです。ロシアにも隣接しているから、大戦末期には当然ロシアに攻め込まれていたようです。
フィンランドの北部の原野に広がるのがラップランド(何ともいい響きの地名ですね)。ここも戦場になっていた。
この映画は戦争映画ではなく、戦時を背景にしたヒューマンドラマ。それも、言葉はあまり意味をなさないのだから、面白いというか、奥が深いというか...。強いていえば「ノーマンズ・ランド」のような感じなのかな。
お話しの詳細はご覧になってのお楽しみとしておきますが、不思議な三人の奇妙な生活もさることながら、フィンランド版の“三途の川”がなかなか興味深く表現されています。ここのパートだけでもご覧になる価値があるかな。

こんな映像を観ていたら、フィンランドへ行きたくなってきた。
そういえば今、巷では「かもめ食堂」が公開され、なかなかの人気のようですね(これも観なくっちゃ!)。この映画、オールフィンランドロケだそうです。
ナイスガイ・フジタも新婚旅行でフィンランドへ行ってたしなぁ(ムーミンの温度計をおみやげでいただきました、ありがとう!)。よっしゃ、お金を貯めてフィンエアーに乗ろう!
なんて思ってたら、この映画、実はロシアの作品なんだった。そうかぁ...。ロシアと言えば「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」も観ないと終わってしまいそう。

ちょっと横道に逸れてしまったけど、この「ククーシュカ」なかなかのオススメです。関西では6月に入ってから、ひっそりとOS劇場での公開が予定されているようです、はい。

おしまい。