光復節特赦/Jail Breaker/(邦題:ジェイル・ブレイカー)

すんなり笑える 秀作コメディ



  

ソルギョングは好きな俳優さん。でも、こんなコメディにも出ていたとは知らなかった。そもそもこの「光復節特赦」というタイトルの作品がコメディだと知らなかっただけのことか。ソルギョングとチャスンウォンが出ている。
そもそも“光復節”とは“1945年8月15日に日本の植民地支配が終わり大韓民国という国が樹立したことをお祝する日”だそうです、独立記念日とか建国記念日という感じなんでしょうか。
すなわち、この8/15を記念して、受刑者の刑期を短縮して出獄するという特別な恩赦。ボクたちには耳慣れない言葉だけれど、外国では何かの記念日や、国家元首の在位期間の区切りや誕生日など、何か国家的な祝賀行事の際に実施されることが多いようですね。

真面目でつつましい生活を送っていた青年ムソク(チャスンウォン)が、交通事故で足を骨折してしまい、働けなくなってしまった。彼は松葉杖を突きながら空腹を抱えて市場を歩いていたのだけれど、誘惑に打ち勝てず店頭にあるパンをむしゃむしゃ食べ初めてしまった。もちろんそのパンの代金を払うことは出来ない。彼はあえなく御用になってしまう...。
何度も何度も脱獄にチャレンジするが、そのたびに失敗を繰り返す。ある日、土木作業中に土の中から見つけたのはスッカラ(スプーン)。このスッカラ一本で穴を掘り始める。そして、苦節ン年、とうとう塀の外まで通じるトンネルが完成した...。

一方、街のチンピラ、ジェピル(ソルギョング)は、恩赦で刑期が短縮されることだけをひたすら願って模範囚を演じていた。それは娑婆に残してきた婚約者ギョンスン(ソンユナ)と一日も早く結婚することを夢見ていたから...。
ある日のこと、面会に来たギョンスンから「私、結婚するから」とあっさり宣告されたジェピル。もう居ても立っても居られない。恩赦をあてにしてはいられない。これはもう脱獄するしかない...。

ジェピルとムソクはとうとう脱獄に成功。タクシーを強奪してソウルへ舞い戻る。そして、二人が目にしたのは...。
これはイカン! 折角脱獄に成功した二人だけれど、今度は何とかして塀の向こう側へ返る算段をするハメに。

別にどうってことがないお話しなんだけど、これが、何故かお腹を抱えて笑わずにはいられない。いや、そうではなく、設定も面白ければ、ストーリーもいいし、役者もいい。説教臭いところもちっともなくて、思わず「上手い!」と膝を叩いてしまう(ちょっと褒めすぎかな)。
ソルギョングとチャスンウォンだけではなく、脇を固める面々が実に良い。カンシニル(教務課長)にカンソンジン(独房の囚人)の「シルミド」コンビはもちろん、ユヘジン(ソンユナの婚約者)も相変わらずいいなぁ。
チャスンウォンはコメディもばっちりだとは知っていけれど、ソルギョングにはほんとに驚いた!この人演技の幅が普通の役者さんの倍はありますね。

何にも構えることや考えることはありません。気楽にご覧になって、笑ってください。そんな映画です。
関西ではこの週末(6/25)から天六のホクテンザで上映の予定があります。必見ではないですが、ご覧になっても損はしない作品だと思います。
ボクは上映を前にして、ちょっと悔しいのでソウルで買ったDVDを拝見しました。でも、きっとホクテンザへも行くんだろうなぁ。

おしまい。