花咲く春が来れば/春が来れば

静かに春がやってくる



  

土日で8本連続という荒業もこの一本でおしまい。
楽しみにはしていたけれど、正直に言うと「やっと終わりか」と思わなかったでもない。頭の中はいろんなストーリーが入り混じってごちゃごちゃになっているし、肉体的にも疲れ果てていた。
この「韓国エンタテインメント映画祭」。8本全部観た人はいったい何人ぐらいいらっしゃったのでしょうね。

この作品も1年ほど前にDVDで鑑賞しています。
こちらも、DVDで見たときとあまり大きく印象は変わらなかったように思います。自分で読み返してみると、我ながら言葉が完璧に理解できていたわけでもないのに、よくぞまぁここまで意味を汲み取っていたものだと感心してしまいました(自画自賛ですね)。
しかし、前回はヒョヌの恋人ヨニ(キムホジョン)にほとんど目が行っていなかったけれど、今回はしっかり意識させられた。う〜、前回はどうして印象に残っていなかったのだろう?
それに生徒たちが次々に付け替えてくる眼帯の秘密(?)もなんとなくわかったような気がします。

このお話しの凄いところは、やっぱりあくまでもチェミンシクにのみ焦点が当てられていることでしょう。ヒョヌが学校を去って、その後このトゲ中学校の吹奏楽部の連中がどうしたのかが気にはなるけれど、それよりも、桜が散るベンチに寝そべってヨニへ電話をするヒョヌの心の中の暖かさの方が観ていて嬉しい。

ボクは疲れていたけれど、この映画を観ながら考えていたのは、子供の頃はいろんな人に世話になったり、導かれたりして成長してきたんだけど、一丁前に大人になったにしろ、大人でも、実は毎日いろんな人の世話になって生活しているんだなぁ、ってことです。
自分一人だけで生きているのではないんだ。ボクも周囲の人に支えられて生きているんだな。そんな当たり前のことを改めて痛感しました。
そして、素直に生きようょ。

劇的なお話しではなく、静かに心に染み入る感じ。
この作品も劇場公開が予定されているようです。こんな静かなチェミンシクもいいものです。お近くで上映される際は、是非ご覧下さい。
イジェウン(子役)、ユンヨジョン(ヒョヌの母)、チャンシニョン(薬剤師)などもしっかりいい演技を見せてくれています。

おしまい。