拳が泣く/クライング・フィスト |
もう一度、一緒に銭湯へ行きたい |
今回の韓国エンタテインメント映画祭、その目玉の一つが「拳が泣く」で主演しているチェミンシクの舞台挨拶ではないでしょうか。
ボクはこの映画がソウルで封切りされたときにも拝見してる。そのときには何故かちょっと醒めた見方をしており「正直、もう一つ」と書いた。でも、今回、日本語の字幕が付いたこの作品を観て、頬を濡らす涙を止めることは出来なかった。
これはボクの勝手な想像であり、確認したわけではないけれど、ソウルで観た「拳が泣く」はテシク(チェミンシク)とサンファン(リュスンボム)の関係はフィフティフィフティだったように思う。
ボクシングは勝負事だから、もちろん勝つにこしたことはない。誰でも負けるために努力しているのではなく、勝利を夢見て苦しい練習をしている。しかも、その背中には自分の意地だけがあるのではなく、さまざまなものを背負っている。その重さは、当事者でないとわからない。
テシクは勝ちたかったに違いない。でも、きっと満足していたんだろう。こんなに素晴らしい試合を自分が出来た事に。その思いはボクにも充分伝わってきた。 勇気を与えてくれる作品だと思います。 2006年新春に全国ロードショー公開が決定しているようです。お時間があればスクリーンで是非ご覧ください。 おしまい。 |