せかいのおわり |
あたまのテッペンに落書き! |
何とも意味深なタイトル。「せかいのおわり」と言うよりも「映画の終わり」って感じさえ漂ってくる。決してわけがわからないのではなく、何となくこの映画が伝えたいことも理解できるんだけど、決して共感は出来なかった。
目を見張ったのが、主人公たちがいる盆栽屋「苔moss」の店舗兼住宅。う〜ん、こんな家に住んでみたいような...。
同棲していた彼氏に振られたはる子(中村麻美)が、同郷の幼馴染・慎之介(渋川清彦)が店長(長塚圭史)と二人で住むお店に転がり込んでくる。この数シーンだけで、はる子と慎之介の関係がだいたいわかってしまうから、その見せ方は上手いよね。そして、店長を含めた三人の奇妙な共同生活がスタートする。 しかしはる子も、かわいい顔をしながら、たいがいなお姉さん。気は強いし、喧嘩はしょっちゅうしてしまう。おまけに男運が無茶苦茶悪いと来てるから始末に終えないね。
今、思い返すと、この映画ちゃらんぽらんに撮られていたように思ったけれど、よく考えて過不足の無いエピソードがつなげられていたんだな。
自分を捨てて元の鞘に収まった男に復讐する(お〜怖!)ために、夜中に駆け出したはる子。それを追っていく慎之介。なんかアンバランスな二人。だけど、街灯の下で一人っきりになったはる子は「せかいのおわり」かと思うほど寂しくて、切なくなる。
醒めたおじさんには、大方不発でしたが、はる子・慎之介・店長というへんてこな三人に大いに共感できる方も少なくはないでしょうか。 この日は人数がとても少なかったにもかかわらず、やっぱりこの劇場(渋谷シネ・アミューズ)のシートアレンジは、映画を観るのには向いていないように感じました。 おしまい。 |