アルフィー

なくしてしまって初めて気付く、大切なもの



  

続いて同じく銀座シネパトスで「アルフィー」という映画。スクリーンも同じ。上映前に1時間ほどお休みが入ったので、ボクは銀座のウインズへ寄り道して、お金を捨ててしまいました。がっくし。
「大変な結婚」は20名ほどの入りでしたが、こちらは40名ほどと、思ったより入っている。関西ではこの時期には既に上映は終了していました。
ここはスクリーンも小さいのですが、ずいぶん上にあって、意外と前後や左右の方を意識しないで映画を楽しむことが出来ます。ただし、それなりの圧迫感はありますけどね。

一見、軽いお話し。
でも、実は人生はそう軽々と漂うだけでは生きていけないと、示唆に富んだ哀しいストーリーでもあるのです。
ジュード・ロウでも悪くはないのですが、ボクは主人公のアルフィーが英国出身という設定であるならこの役はポール・ベターニに演じて欲しかったな。でも、もしポール・ベターニが主演なら、お話しはちょっと違う方向へ進んでしまっていたかも...?

英国人のアルフィーはマンハッタンでリムジンの運転手をしている。このリムジンを運営する会社は華僑が社長。同僚には黒人のマーロン。
アルフィーは、ニューヨークでの独身生活を謳歌していて、特定の恋人は作らず、蝶のように花から花へと飛び回っている。そう、自分では選ぶ権利を確保しておきながら、女性から束縛されるのを嫌っている。

でも、きっと誰でもそうだろうけれど、失ってしまってから初めて気が付く大切なものってある。それは恋(女性)だけではなく友情だってそう。
そんな当たり前のようなことだけど、目の前にあると気が付かないことを教えてくれる。
この映画の良いところは、あくまでも示唆するだけで、その教訓めいた部分をぎゅっと押し付けてこないところなのかな。
わかっちゃいるけど止められない。そして反省する日々。そんな中でどう成長していくのか。それが大事なんです(きっと)。そして、案外幾つになっても、わからない人にはわからない、そんなオチがリムジン会社の社長の姿なのかもしれませんね。

観終わって、ちびっと苦い気分になってしまいましたが、人生はこんなほろ苦さの中にあるのかもしれません。
いずれにせよ上映は終了しています。興味をお持ちの方は、ビデオかDVDでお楽しみいただくしかないですね。

しかし、スーザン・サランドンも老けちゃったなぁ...。ショックでした。

おしまい。