リンダ リンダ リンダ

弾けるのも青春なら、眠りこけるのも青春だ!



  

同じシネカノン神戸で続いて拝見したのが、韓国の女優さんで日本でも最近注目されてれいるペドゥナが主演(?)している「リンダ リンダ リンダ」。韓国の作品ではなく、日本の作品。
わずか三日ほどの出来事が、一気に勢いの乗って描かれます。
「青春」が、現在進行形の人が観ても、過去完了形の人(ボクのことです)が観ても、すっごく楽しめる!

高校三年生。最後の文化祭を目前に控えたある日、軽音楽部の三年生の女子がで組んでいたバンドが仲違いをしてしまい空中分解してしまう。このままでは、今まで練習してきたオリジナル曲を演奏するわけには行かない。かと云って、最後の晴れ舞台に立てないのも悔しい。どうすればいいの?
残ったメンバーでバンドを組むには足りないのはヴォーカル。誰も唄いたくはない(そんなことないような気もするけどな)。よっしゃ、ヴォーカルは外部から招聘しよう。
「今から一番最初にこの前を通り過ぎた女の子を勧誘する!」
個性的な三人組に、韓国からの留学生(ペドゥナ)。演奏する曲はもう決まっている、ブルーハーツのコピーをやる!

う〜、残念!
「リンダリンダ」という曲、全く知らないわけではないけれど、ほとんど知らない。それに、この曲と同時進行の思い出もない。無念!
もし「リンダリンダ」に何か特別な思い入れがあったり、この曲がヒットしていたときの思い出などがあれば、この映画の楽しみは全く別のものになっていたのに違いないし、何倍も味わい深かったはず。
残念ながらボクはこの映画を参加型で楽しむことは出来ず、傍観を決め込むしかない。なんと言う無念。ボクはこの映画にどっぷりと参加できた方の半分も楽しめなかったんだろうな、全くもって残念としか言いようがない...。

日本人の三人が個性的でいいね。
それに、都会じゃなくて、適度に地方色が豊かな地域の高校が舞台なのがいい。これが、東京の高校が舞台なら、面白くとも何ともなかったような気がする。
そんな高校に、何故韓国からの留学生がいるのか、その理由を真剣に考えてはいけない。理由はともかく、韓国から来ているコミック好きな女子高校生がいるのが、この映画のミソなんんだから!

ペドゥナは確かにかわいいけれど、今までの出演作の中では、普通程度だと思う。でも、そんなことはあまり重要ではない。 ペドゥナはアクセントになっているが、主題はバンドに賭けた青春。
だから、このバンドが上手いかどうかも、さほど気にならない。即席のバンドだけど、最後のステージでどれだけ弾けることが出来るのか。それが大切。様々な思いを乗せて、最後のステージの幕が上がる(いや、幕は最初から上がりっぱなしだったか)...。

いろんなエピソードが同時並行で描かれるのだけど、ボクが特に気に入ったものが二つ。
まず、ドラムの女の子(前田亜紀、この人「バトルロワイヤル」で最後まで生き残る中学生だったよね)の恋の行方。準備室で何時間もぼさっと待っている男の子って一体...。で「言ってない」とただ一言発してステージに上がる彼女に拍手だ!
そして、脱力系では、この「ひいらぎ祭」の記録ビデオを撮っている三人組だろう。この三人が大真面目なだけに、失笑が増幅される。何年か経ってからではなく、文化祭の翌日にこのビデオを見たとしても、こっぱずかしいやろなぁ。

エンディングは雨。キャンプファイアもフォークダンスもこの雨で中止。高校生達が情熱を傾けた全てが雨で流されてしまう。浮かれたような熱気が、冷やされていく。
そして、青春は一つのピリオドが打たれるのでしょう。

悪くない。ストレートの直球勝負の作品。おすすめですね。
三日間を一気に駆け抜ける彼女たちと一緒に、一気にご覧下さい!

おしまい。