セックス イズ ゼロ/色即是空

色即是空とは...



  

イムチャンジョンは、この春にソウルで拝見した「葱トントン、卵パカッ/Son, My Enemy 」で心優しい青年役で主演していた“歌のお兄さん”。この「葱トントン〜」は、もうすぐ始まる「アジアフォーカス・福岡映画祭2005」で「ネギをサクサク、卵をポン」というタイトルで上映されるようなので、お時間がある方はぜひご覧ください。

で、この映画「セックス イズ ゼロ/色即是空」。良くも悪くもイムチャンジョンが演じるロートル学生のお話しなんだけれど、舞台が大学のキャンパスだけにノリが軽いのは仕方ないかな。どこかとぼけて、ずっこけてるんだけど、一生懸命だから憎めない、そんなずいぶん“お得”なキャラクターを演じている。何も考えずに観て、笑ってしまえばそれでおしまいなんだろうけれど、それではちょっともったいなかったかな。せっかく、イムチャンジョンを使っているのだから、ほかの学生とはちょっと違う視点に立った発言や行動があってら良かったのにな。しかし、何も難しい映画を作る必要もないのだし、このままでも十分に面白いのも確かです。
ハジウォンは、今まで何作も観ているはずなのに、これといって印象に残っていなかった。今回は役得もあるだろうけれど、ちょっとクラクラと...。彼女はこの映画の中で、馬鹿な女子大生を演じているんだけど、これまた馬鹿なボクは“守ってあげたい!”なんて思ってしまう。美人というよりも、健康的で笑顔が素敵な“かわいこちゃん”(この表現は、もう死語かな?)なんやなぁ。

どこの大学かはわからないけれど、学生寮とクラブハウスのような場所でお話しは繰り広げられる。
兵役のために(それだけか?)かなり遅れて入学してきたウンシクは、寮で考えられないような料理を次々と食べてしまい、しかもなぜか冴えない「超力研究会」なる武道系(いや念力系?)のクラブに入り、日夜研鑽を積んでいる。
ある日、学食で視界に入った女学生ウニョ(ハジウォン)。「ボクの相手なんかしてくれるわけないよな」と思いながら冴えない表情で彼女を見ていると...。ウンシクはこのエアロビの女学生に猛烈な一直線のアタックを仕掛けるわけでもなく、陰になり日向になり、ウニョにとってはうっとうしいだけの秋波を送っていた。それでも、口をきいてはもらえるようになったんだけど...。果たしてウンシクのこの恋は成就するのか?

この手のストーリーにありがちな展開で、下品なギャグや下ネタも満載で、潔癖症の方ならご覧にならないほうがいいかもしれない。でも、クラクラっと来ているボクにはハジウォンのおかげで意外とすんなりと観続けることができました。
メインのストーリーよりも、年は喰っているし、金もなく、コネもなく、そしてルックスも冴えないキャンパスライフを描くサイドストーリーにこそ、この映画面白さが凝縮されているように思いました。

今回の「韓流シネフェス」で上映された作品群の中でも、単純な面白なら一二を争うかもしれません。
ハジウォンのライバル役を演じているのはチンジェヨン。眠たそうな目元が印象的ですね。
それにクラブのチーフで、なぜか女子寮に二人で忍び込んでしまうおっさんはパクチュンギュだそうです。

おしまい。