50回目のファースト・キス

恋する二人がカウチに並んで見るのに最適?!



  

一度何かのきっかけで更新を溜めてしまうと...。あかんねぇ、回復するのには結構な時間と労力が必要になり、なかなか追いつけません。溜まっている上に、東北へ出かけてしまい、山行を楽しんでそっちの更新にかまけているうちに、また偽ジェの方がどんどん積み残されてしまう。もう青息吐息。それでも、コツコツ更新しますので、もうしばらくお待ちください。

で、もう一ヵ月近く前に動物園前シネフェスタで拝見したのがこの映画。
最終日の最終回(レイト上映)。今まで何本もこのシネフェスタで拝見したけれど、あまり「今日は混んでるな」と思ったことはない。だから、この日もすっかり油断していたら...。
満席にはならなかったけれど、9割ほど座席は埋まり、なんと最前列にも人が座っている。う〜ん、こんなに人気がある作品だったのか!

何度か予告編はちらっと見ていたので、どんなお話しかは知っているつもりだった。でも、予告編の雰囲気と実際のフィルムは全くと言っていいほど違った(こんな作品も珍しい)。そして、もちろん本編の方が断然面白くて良いのだ。
この題材なら、いろんな味付けが可能だと思う。しんみりさせるのも簡単だし、淡々と流れていき最後に感動させる方法だってあっただろう。でも、この映画は最も困難だと思われるコメディタッチで味付けをして成功させているのだから、お見事としか言いようがない。
ルーシー(ドリュー・バリモア)の描き方が難しい。それを構えることなく正面から清々堂々と描いている。それがこの作品の成功の第一歩かな。妙に湿っぽくはない。第一、彼女は一夜明けると、あっけらかんと同じ朝を迎えるのだから!

もう一つヘンリー(アダム・サンドラー)のキャラクターがこの映画の秘訣かもしれない。冒頭の訳がわからないうちに流される証言の数々が絶妙の香辛料になっている。ヘンリーはこんな奴だと思わせておいて...。この人、どこかでお会いしたような気がすると思ったら「パンチドランク・ラブ」で主人公をしていたのか(ちっとも気が付かなかった!)。
どうしてヘンリーをここまで一途な思いにしたのか、同情とかではない。かと言って純粋な愛だけでもなかったような気がする。ごく一部にね、意地が、男の意地があったんじゃないかな。でも、それがちっともいやらしくなくて、逆にどこまでも行くヘンリーがいじらしく見えてくるから不思議だね。

結局、ルーシーの病気(症状?)は改善されない。
今まで家族が取ってきた対応と、そうじゃなくて、これから一緒に歩みを進めていこうというヘンリーの対応が違っても当然で、そこにあるのが家族の愛と生涯の伴侶を得ようとする男の愛との違いなんでしょうかね。

しかし、設定は絶妙だ。
ボクも毎日毎日、別の日を明日の日に向かって一方的に時の流れに流されているんだと思っていたけれど、実は、毎日毎朝リセットされているのかもしれないな。そう思うと、なんだかおちおち眠っていられないような...。

で、どんなお話しなのかは、見てのお楽しみ。決して難しくはない内容です。
週末の夜、恋する二人がカウチに並んでご覧になるには最適な一本かもしれません。セイウチとペンギンが何とも言えずかわいい!
シネフェスタが大入りなのも、なんとなく頷けました。もちろん、上映はもう終わってしまいました。DVDやビデオでも十分お楽しみいただけると思います。まずまずのおすすめです。

おしまい。