ダニー・ザ・ドッグ

それなりの必然性がないと...



  

一転して娯楽作品。ジェットリー主演のアメリカの映画。
会場はアベノのアポロ。ここへお邪魔するのは久し振り。ここでしか上映していない作品はまずないので、何か理由がないとここで拝見する意味がない。今回は、アベノから動物園前へ移動するのに都合がいいという理由だ。

ふ〜ん。面白い設定だ。 闘うイヌとして飼われているファイターがジェットリー扮するダニー。首輪をされているときは従順な青年だが、飼い主のおっさんから一度首輪を外されると一転して犬並の戦闘を挑み、相手をぶちのめす。
そんなダニーが、あるきっかけで人生そのものに目覚め、自分を取り戻すまでを描いている。

あまり難しいことを考えてはいけない。ストーリーも設定もかなりのご都合主義が入っている。
じゃぁ、この映画の見所は何かと言うと、それが難しいところ。ジェットリーの立ち回りは確かに凄くて痛快でさえあるけれど、彼のファイトに必然性が薄いところがネックになる。じゃぁジェットリーと盲目のピアノ調律師モーガン・フリーマンとの掛け合いか。でも、これも何だか物足りない。紅一点のモーガン・フリーマンの娘との恋か、残念ながらこれは全く描かれていない。
アクションもヒューマンもラブも、どれもこれも中途半端。もう少しピアノを上手く使えば違う展開もありなのかもしれないな。それにしても、ダニーの飼い主(?)の悪役がなんだか昔懐かしいステレオタイプのおっさんで、その型にはまった存在が笑えてしまいました。

出ている俳優さんのネームヴァリューと演技だけでもっている。
ちょっと喰い足りない、もったいない作品の仕上がりになっている。
ボクはジェットリーに関して詳しくはないのだけど、彼は英語がアカンのかな? だとしたら、こんな仕上がりになるのもなんとなく頷ける。でも、もしそこそこセリフをこなせるのであれば、この使われ方はどうなのかな?
モーガン・フリーマンも出演作がかなり多い俳優さんだけど、いつも一定以上の芝居はしてくれる。自分のパートはきっちり仕事をするタイプの役者さんですね。

眠くはなかったけれど、ちょっとね。
お時間がある方は、ご覧になってもいいかもしれません。

おしまい。