ダブリン上等!

紅茶にウスターソース、割とイケルの?



  

こちらも人知れずひっそりと上映されていた作品。タイトルがいいね「ダブリン上等!」

おまけの誘惑にころっと負けて、阪神の地下でギネスの缶ビール3本にグラスが一個ついたセットを続けて購入。このところボクは、すっかりギネスファンになっている。このギネスの故郷こそアイルランド、アイルランドにある都市の一つがダブリンなのだ。この映画の中でも、みんなが飲むのは、やっぱりギネス!

お話しそのものは、なんとも中味が薄くて、ギネスのような味には仕上がっていないのが残念。
幾つかの話しが平行して走り、間抜けな事態の連続なんだけれど、最後には何とかハッピーエンドを迎える。とてもじゃないが群像劇とも言えない。ダブリンを舞台にした、気が抜けてあまり面白くもないどたばたコメディなのかな。
その最も大きな原因は、観ているこちらが主人公の誰にも感情移入出来ないこと。そして、あまりにも行き当たりばったりの行動について行けないからだろう。

郊外にある巨大なショッピング・センター。ここに入っているスーパーの商品補充係のジョン(キリアン・マーフィ)が一応の主人公(この人が「28日後...」の主人公だったとは気がつかなかった!)。今日も同僚のオスカーもヤル気なく仕事をしている。ジョンは最近、付き合いが長かった彼女デイドラ(ケリー・マクドナルド、角度によっては、とってもかわいい!)に振られてしまい、むしゃくしゃしている。
そこへ、街でも札付きのワル、レイフ(コリン・ファレル)と不慮の事故でクビになってしまった路線バスの運転手、街の地域課の刑事、地元テレビ局の若いディレクター、銀行の支店長、その夫人、デイドラの妹...。様々な人間が絡んできてくっついたり離れたりしながら「こんなんでいいの?」っていう事件へ向かって走り始める。
いったいどんな結末を迎えるのか?

出ている俳優さんで注目なのが、コリン・ファレル。今やハリウッド・スターの地位を確立した感があるけれど、実はダブリン出身だとは知らなかった。最近はボクがあまり観ないような大作にばかり出てるしね。
後は、これと言って報告するようなこともない。今の英国はなかなかの好景気と言われてるけれど、この作品を観る限り、ダブリンの閉塞感や脱力感は、そこかしこににじみ出ているような気がします。
ところどころにニヤっとするシーンがないわけではもないけど、全体的にトーンは上がらないままでした。

あんまりおすすめはしませんが、お時間があればどうぞ。
もっとも、シネ・リーブル梅田での上映は、もう終わってしまいました。

おしまい。