清風明月

任侠路線まっしぐら!



  

韓国映画が恐ろしい勢いで公開されている。ソチョンさんのsiteによれば、この夏にかけて50数本が関西地区でも観ることが出来るそうだ。以前との比較はカンタンに出来ないけれど、この本数は驚くべき本数であることには違いない。ここ数年ボクは年間で200本弱の映画を拝見しているから、その1/4ほどが韓国の作品だけで一気に上映されるわけだ。以前であれば、未公開作が上映されるのは福岡や東京の映画祭。それを観るために、出かけて行ったり、出張を調整していたりしていたのが、まるでウソのようです。
そうそう、少し前に今年の福岡アジア映画祭の上映作品も発表されている。「公共の敵2」が目玉ですね(ちなみに「回し蹴り」も上映されます)。以前なら、今頃はもう福岡のホテルへ予約を入れていたかもしれないけど、今回は「どうしようかなぁ」って感じ。ちょっと迷っている。それは、はるばる福岡へお邪魔しても、あの夢天神ホールで果たしてちゃんと観ることが出来るかちびっと心配だから。昨年は立見続出だったらしいしね。ちょっと複雑な気持ちです。
先日『韓流シネマフェスティバル』開催中のシネ・リーブル梅田へ念のため電話してみた。「今から行っても大丈夫ですか?」「ご覧いただけると思いますが、ギリギリにお越しなると立見になる可能性が高いです」とのこと。この対応は親切だと思った。そこそこ混んでいるとは覚悟していたものの、まさか座れないとがあるとは思っていなかったから(結局、行かなかった)。
果たしてこの熱気が天六のホクテンザまで押し寄せて来るのでしょうか? リーブルで上映される作品群は他所でも上映されるけれど、ホクテンザの作品群はここで観逃してしまうと、後悔必至。ちびっと不安だ!

で、今回は地味な作品を拝見してきました。会場は動物園前のシネフェスタ。やっぱり、いつものシネフェスタ。良かった、ほっとした。
チェミンスとチョジェヒョン。かなり渋目のスター。そして、時代劇。
時代の波に翻弄される二人の若く有能な武官の運命が描かれている、大河ドラマ風の作品(っちゅうか、実は東映の任侠路線そのままなんだけどね)。

武官の養成所で知り合った二人は、お互いに認め合う良きライバル。そして、師匠の美しい娘に惚れていた。やがて、二人は任官することになり、チョジェヒョンは国境の守備隊に、チェミンスは朝廷の警護。任官の際、師匠から「清風明月」の銘が入った刀を下賜される。
数年の時が流れ、都では不穏な空気が流れ始める。なにやら王朝転覆の陰謀が進行しているらしい...。
自分の部隊に下された命令に逆らえず、造反側に付かざるをえなかったチョジェヒョンと現王朝の守備を任務とするチェミンスは宮廷を舞台に図らずも直接対決をすることになってしまう。

そして、再び数年の時が流れる。 ようやく新王朝による施政も落ち着きはじめたかに見えたが、政権を担う高官が次々と惨殺される事件が相次ぐ。今や「人切り」という異名を轟かせているチョジェヒョンのもとに警護の要請する声が殺到するが...。彼が高官たちに、夜遊びと女遊びは控えるようにと要請するが、その声に耳を傾ける者はおらず、寝所や湯殿で襲われる事件は続く。彼は、あの対決で討ち死にしたことになっているチェミンスが怪しいと睨むのだが...。

ねっ。まるで任侠もののようでしょ。仲が良かった義兄弟が、運命のいたずらで敵と味方に別れてしまう。そして、切った張ったの対決を経て、最後には力を合せて悪の根源を打ち負かす、まぁそんなお話しです。そこに、師匠の美しい娘との恋物語も絡んできてね、色を添えてくれますね。
正直云って、そんなに見所がある作品でもありません。このお話しを現代に置き換えてアレンジすれば「ブルー(邦題:SSU)」になるのでしょうか、そんな感じですね。

脇では、チョジェヒョンの部下にキジュボン。この人、時代劇のカツラも似合いますね。そして、初めて拝見するような気がするのですがチョジェヒョンの部下で若い方の人イジョンス、この人ルックスも体形もいいのでこれから活躍するかもしれません(運動神経がそんなに良くなさそうで、ちょっと鈍いけどね)。出番は多くないけれど紅一点のキムボギョンは、まずまず。だけどそう特筆すべき点はなさそうでした。

今後ご覧になるチャンスがあるかどうかは不明ですが、観逃していても、そう大きな後悔はしなくてもOKです、きっと。

おしまい。