ウィンブルドン

ただ、たまたま舞台がウィンブルドンで相手が世界ランキング1位



  

岸和田で続けて拝見したもう一本。これもユナイテッドシネマのみでの上映。
スポーツ・ラブコメ(そんなジャンルあるのか?)の「ウィンブルドン」です。これまたウソのようなお客さんの数。
泉州の方はあんまり映画はご覧にならないのか。それとも、ちょっとマイナーな作品の上映には向いていないのでしょうか。とにかく寒かった!

主演はこのところ姿を見かけていなかったポール・ベターニ。珍しいことに、彼が割りとノーマルな役を演じている(普段って一体...)。ヒロインはこのところ良く顔をみかけるキルスティン・ダンスト。こちらは、かなりぶっ飛んだ役回り。
お話しは簡単。かつては世界ランキング11位(やったかな?)まで行ったピーター(ポール・ベターニ)も三十路を迎えて、ワイルドカード(予選会から出場権を得ること)で出場する今回のウインブルドンで引退を決意している。選手を辞めたら、有閑マダムを相手にクラブでコーチに就任することが決まっている。一方、優勝候補の筆頭に上げられているリジー(キルスティン・ダンスト)は、多くの報道陣を引き連れて米国からロンドンへお出まし。
この二人、ひょんなことでホテルの部屋で鉢合わせ、そして練習用のコートでも出会ってしまう。お互い、大切なゲームを控えて、息抜きのつもりで一夜を共にするのだが...。

まぁしかし何ですね。ウィンブルドンの本選ならプレーヤーたちはもっとストイックな日々を送っていると思っていたけど、多少の誇張はあるにせよ結構自由に時間を過ごしているのですね。もっとも、24時間中ラケットを振っているわけにはいかないでしょうけど...。

一回戦をなんとか勝ち上がったポールは、試合後の記者会見で「この大会で選手としては引退する」と発表するのだけれど、そんな会見誰も聞いてはくれていなかった(悲しいね)。
大会が大きいからか、日程にも余裕が生まれる。ピーターとリジーは逢瀬を重ねるのだけど、リジーのコーチ兼マネージャーのパパが、リジーの周囲に目を光らせて、ピーターへの牽制球を投げるのだけど...。

そりゃ、落ち目で引退宣言までしちゃったピーターと、女王の座へまっしぐらのリジーでは役者が違いすぎる。釣合わない。
最初は息抜きのつもりだった(つまり一夜限りの関係だった)、でも一つ勝ったからにはこのツキを手放したくない。そして、リジーの声援を受けて全仏の王者を破るとポールもちょっとは色気が出てきた。
でも、ポールとリジーの心に芽生えたのは、ツキとかそんなんではなかった。そう、言葉では上手く言い表せない感情が芽生えていた。

スポ根ではない。
いい大人が分別をなくして恋にテニスに大いに張り切る。ただ、たまたま舞台がウィンブルドンで相手が世界ランキング1位というだけ。
さらっと観て、くすっと笑う。そんな作品です。

「チアーズ」でちょと注目して「スパイダーマン」シリーズで株を下げて、「モナリザ・スマイル」と「エターナル・サンシャイン」でやや持ち直していた(もちろんボクの中で)キルスティン・ダンスト。この映画でもなかなか頑張っていますね。
でも、この役ボクとしてはキーラ・ナイトレイあたりに演じてもらいたかったような気もします。
まぁ、なんと言っても、ボールボーイの男の子が一押しです。ハイ。

おしまい。