タッチ・オブ・スパイス |
人生はスパイス次第? |
この映画は観逃したと観念していた。しまったなぁ、ギリシャやトルコの作品をそうそう拝見できない。数少ないチャンスを逃したと諦めていた。 お話しの流れは良くある回想もの。ただし、回想と現実が最後になって交わり、そして切ない(ある意味現実的な?)エンディングを迎える。スパイスはスパイスとして効かせて、メインは恋愛ものだったのね。そんなことはツユとも知らず、少年の追憶もので、生まれ育った土地への郷愁を誘うお話しだと思っていました。
主人公ファニスはギリシャの大学で天文学を教えている。そんな彼に天文学への興味の扉を開いてくれたのが、トルコに住むおじいちゃん。ファニスはトルコのイスタンブールで生まれ育ったが、当時の国際状況がそのまま彼がトルコで暮らすことを許さなかった。ギリシャ人の父とトルコ人の母と一緒にイスタンブールを離れアテネへ引っ越してきた。
政情が安定し、ギリシャとトルコの行き来も自由に出来るようになったのに、おじいちゃんは一度もアテネにファニスの顔を見に来てくれはしなかった。 しかし、人生においても、恋にしても、大切なのはスパイスなんだなぁ。その使い方が正しければ絶妙のハーモニーを奏で、誤れば全てを台無しにしてしまう。スパイスが足りなかったと言って、出来上がった料理にいまさら足りないスパイスを振りかけたところで、もうそれはどうしようもない。そういうこと。 大人になったファニスとサイメ。 サイメが大人だったのに、なんだかボクは救われたような気がしました。 あんまり期待せずにご覧ください。そうすると、じわじわっとあなたの心の中にもスパイスが効いてくるかもしれませんよ。 おしまい。 |