三人三色

そのアイデアには脱帽!



  

レイトショウ。そろそろ寒気が緩みはじめているうえに、館内はほどよく暖房が効いている。忙しさもピークを過ぎ、ボクの気もすっかり緩んでいる。そんな悪条件が揃っていた。
ひょっとしたら、このような諸条件が揃っていなくても、自然とまぶたが重くなるような作品だったのかもしれない...。

韓国の全州という街で開かれる映画祭がある。そのテーマ作として、毎年違う監督が同じテーマでそれぞれ違う作品を撮る。それを一挙に上映するのが、この「三人三色」。
日本・中国・韓国の監督が起用されている。
いずれの作品にも共通しているんのは、クールでシュールであることだ。その分、画面にはこちらの感情が入り込む余地がなく、余計に眠気に誘われる...(?)。
しかも、今になっては日本人の監督が撮ったパートにいたっては、そのストーリーさえ思い出せない。あかんなぁ、どないなっていんねん!
映画館で上映される機会がなければ、わざわざ観ることもないだろう。ビデオやDVDを借りてまで観ることもない、それどころかビデオ化されたりDVD化されるのかさえ、かなり怪しい。確か、この晩が最終日だったような気がするけど、お客さんもぽつぽつといつものナナゲイ...。

それでは、この映画がおもんなかったかと云うと、そうでもない。
特に、韓国のポンジュノ監督の作品には、そのアイデアに驚かされた。いやはや、こんな着眼点もあったのか!
ちょっとタイトルが思い出せないけれど、香港映画で世界中の監視用カメラの情報(映像)を遠隔操作するソフトを開発し、それを巡る争奪戦がテーマになった作品があった、そんなことを思い出していた。
日本でもこんなにたくさんの監視用カメラがあるのだろうか? きっとそれぞれ独立した制御で動いているのだろうとはおもうけど、もし、それが一括管理されるのだとしたら、それは恐ろしいような気がする。
で、この「インフルエンザ」なんだけど、観ていて微笑ましいのではなく、ちょっとグロテスクでさえある。ただ、監視用カメラが撮ったというアイデアは凄いです。一本取られました。

まぁ、チャンスがあればご覧になってもいいかもしれませんが、わざわざ出かけていく価値があるかどうかは...。

おしまい。