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恋人同士で観るのにいいかも


  

急遽ソウルへ行くことになった。
都合が合えば、香港へも足を伸ばしたかったのだけれど、飛行機の予約も入らないし、日程の都合もありソウルだけとなった。
ソウルへお邪魔する前に、イメージトレーニングとして、この春に買ったまま眠っていたDVDを見ることにしよう。
映画館だと何とか騙しながらでも3時間程度は大丈夫なんだけど、家ではほんとなかなかじっとしていられない。元来が、貧乏性なので、あれもこれも...と、お尻が落ち着かない。だからDVDも貯まるばっかりで、なかなか見ることができないなぁ。

この映画は最近売り出し中の若手俳優・キムレウォン、ちょっと捉えどころがないイムスジョンの二人が主演。イミスクもイムスジョンの母親役で出ている。
キムレウォンはこんなに売れっ子になるとは思わなかった。「青春(邦題:プライベートレッスン/青い体験)」で初めて拝見したときは、そのまま消えていくアイドル系の俳優さんかと思っていた。でも、テレビドラマの「屋根部屋の猫」が大ヒットして、この春にムングニョンと一緒に出演した映画「幼い花嫁」もヒットしましたね。
このキムレウォンは、これからが正念場かな。今までは大学生役をそのまま地で演じていれば良かったけれど、今後学生役が出来なくなってきたら、ネクタイ姿なんかがピタッとくるんだろうか?

お話しそのものは、いつもの(?)韓国映画お得意の純愛もの。
ミナは高校に通っている。母親のミスクはイタリアレストランを経営している。ここまではそう問題もないように見えるけれど、ミナの父親はおらず、ミナ自身は左手に障害を持っている上に、生まれつき体が弱くて、入院と退院を繰り返している。
「どうして、こんな私を産んだの?」と母親に食って掛かるほど。教室に行っても、休みがちな彼女に友達はいない。学校から戻れば、バレエのDVDばかりを何度も繰り返して見ている。いつかはヨーロッパへ行って本場のバレエを生で見てみたい...、それが彼女の夢。
そんなミナ親子が住むアパート(例によって超豪華なマンション)の一つ下の階に、怪しげな男が引っ越してくる。このヨンジェとは、深夜ミナが宝物にしているライターの借り貸しで口をきくようになった...。

これと言って何か劇的な出来事が起こるわけでもない。いつしかミナは、積極的なヨンジェに戸惑いながらも惹かれていく。
お気楽な写真学科に通う学生ヨンジェがなかなかいい。この人ほどショルダーバッグの紐が似合う人はそうそういない。
幸せなのか、不幸せなのか紙一重の場所にいるミナもなかなか上手い。このイムスジョン、冒頭にも書いたけれど、捉えどころがなく、かわいいとみせかけておきながら、実はそうでもなかったり、あっちこっちフラフラしながらボクの目を惹きつける。

小道具の使い方が上手いと言うか、凄いと言うか。
特にあのちびっこのカメ2匹(ちゃんと名前まで付いている)。去年のクリスマス、韓国ではカメを恋人にプレゼントするのが流行ったかな? いや、クリスマスだと冬眠中か。
カップルリングもさりげなく使われていて、韓国のカップルってこういうのが好きなんだねぇ。
母親と娘が、互いに名前で呼び合う関係が、ちょっと悲しい。病院にばかりいて友達がいないミナに、お母さんが友達になってあげる、だから名前で呼び合うのか。

胸がホっと暖められて、キュンとして、それからホロっとさせられる。
こんなことありっこないと、わかっていてもグイグイ魅せられていしまうのは何故なんでしょうね。上手いなぁ。ちょっと間違えば臭くなってしまうようなお話しなんですけどね。

日本での公開はどうでしょう? 何かのイベントで上映されることはあるかもしれませんね。その際は足を運ばれてもいいかもしれません。調べてみたら、日本での劇場公開が決まっているそうです(詳細は不明ですけど)。

確か、この夏に「薔花、紅蓮(邦題:箪笥)」が日本で公開されるようですが、イムスジョンも出ています。他にもムングニョンも出ているので楽しみです。しかし、この邦題「箪笥」はないやろ。ほとほと参りました。

おしまい。