僕の彼女を紹介します

素直な気持ちでご覧になっていただきたい


  

今まで公開された韓国映画の中でも最高のスクリーン数で封切られた「僕の彼女を紹介します」。お客さんもそこそこ入っているようですね、良かった!

思えば、シムウナ、ハンソッキュウが主演「8月のクリスマス」のリバイバルを九条のシネヌーヴォに観に行ったのが1999年。それまで、韓国の映画を観たことも無かったし、恥ずかしながら韓国映画という概念がボクの頭の中には無かった。にもかかわらず、シムウナのかわいさに魂を奪われ、美しいストーリーに感涙を流した(「8月のクリスマス」をまだご覧になっていない方は今すぐご覧下さい!)。
ヌーヴォのロビーに貼り出されていた「8月のクリスマス」のロケ地マップを拝見して、メモを取って、そのまま群山に出かけていった自分自身も恐ろしいけど...。
で、香港の街角で超満員の「我的野蛮女友(猟奇的な彼女)」を拝見。ボクにとってはこれが決定打になったような気がします。中華圏オンリーから徐々に半島へも目が向くようになりました。

派出所勤務の婦人警官のチョンジヒョン。ふとしたことで女子高の先生と知り合い、恋人になる。いつもデートの待ち合わせに使っている喫茶店で、逃走犯を追跡中の彼女からの携帯電話を受けた先生は現場に駆けつけるのだが...。

素直な気持ちでこの映画を観ていただくと、間違いなく泣けます。
日頃の言動と、彼を思う気持ちの純粋さのギャップだけでも泣けるのに、その基本線にいろんな条件が重なって、クライマックスは催涙攻撃が命中してしまいますね。
難しい理由やワケ、それに粗探しをする必要はありません。簡単なことです、ストーリーに酔うだけでいいのです。 出来れば「猟奇的な彼女」をビデオかDVDかでおさらいしてからご覧になると、ラストで盛り上がれます(あのシーンはソウルで大爆笑だったのに、伊丹ではシーンと無反応だったのが惜しい!)。
くるくる回る映像とか、風とカーテンとか、綺麗な部屋にピアノとか、あのサントラは...、なんて考える必要は一切ありません。素直さが大切。

ボクは、すでに2004年の6月にソウルで一度拝見しています。
その時は「そこそこのヒットだけれど、どうして大ヒットしないのだろう?」と素朴な疑問を持ったけれど、今回字幕付きで観て、その理由がわかったような気がしました。
この映画はあくまでも二番煎じであり、柳の下にいるであろうもう数匹のドジョウを狙ったもの。それが露骨すぎたような...。チョンジヒョンとクアックジェヨン監督が組んだことで、そうなったのか? それとも出資側からの注文(条件)だったのか?
ボクとしては、良くも悪くも「猟奇的〜」で固定されてしまった感があるチョンジヒョンのイメージを打ち破るような新しいものに挑戦して欲しかったな。まぁ、ボクが心配しなくても次回作は、きっとそんな新しさにチャレンジしてくれると思います。

それに、二度目でお話しの展開がわかっているボクは、ストーリーそのものを追うよりも「こんな人が出ていたのか」とか粗探しとか、そんな部分に目が行ってしまう。
刑事になってからの相棒の先輩刑事が、病院に搬送される彼女に「告白することがある」と数度つぶやくのは、愛の告白ではなく、チャンヒョクに当たった弾を撃ったのはこの自分だという意味ではなかったか、そんなことをふと思ってしまいました。
賛否両論ある作品ですが、ボクの思いとしては、素直に観て笑ってそして涙ぐめばいいと思います。そんな楽しいくて満足のいく恋愛映画ではないでしょうか。是非カップルでご覧いただきたいですね。

もうしばらくは各地で上映されていると思いますし、ビデオやDVDになってからご覧になっても良いと思います。
そう言えば、高校生の頃、ぶ厚い世界史の教科書にパラパラマンガを書いてたな...。

おしまい。