品行ゼロ

俺も、ジャージ着てうろうろしてたなぁ


  

「シネマコリア2004」の二本目。
正統派と言いましょうか、王道と言いましょうか。あまり機をてらったところがない青春もの。韓国の映画は甘ったるいメロ系も上手いけれど、この映画のように硬派のように見せておいて、実はギャグ満載というコメディ青春モンもお得意。
確か同時期に「色即是空(英題:Sex iz Zero)」も公開されていて、タイトルに“zero”と入れるのが流行なのかと思った記憶がある。この「色即是空」もいつかは観てみたい一本。

一年遅れて高校に通い、その学校で番長を張っているチュンピル(リュスンボム)。
「弱気を助け、強気をくじく」はずだけど、正直言って誰にも相手にしてもらえす、唯一の相棒に変なものを持たせて、それを真面目な学生に見せるという口実でカツアゲをして、情けなく食扶持を稼いでいる。
でも、冒頭にその相棒が語るチュンピルの“伝説”はなかなかイカしてるぜ!

が、こともあろうにこのチュンピル、眼鏡をかけていれば冴えない女の子だけど、眼鏡をはずすと美人でチャーミングな優等生ミニに一目惚れしてしまう...。

硬派なネタと、チュンピルの恋の行方を織り交ぜて、抱腹絶倒、なかなか楽しませ(笑わせ?)てくれる。
韓国ではナイキのスポーツシューズが好まれているんだなぁとつくずく思ってしまう。その模倣品を作っていることを、開き直ってギャグのネタにしてしまうところが、また凄い!

お話しとしては、そんなに特筆すべきストーリーではなく、正直言って目新しくもない。しかも、こんなオチやろなぁと思わせておきながら、それでも1時間半以上、観るものを飽きさせないないのだから、それはそれですごい手腕だと思う。

コンヒョジンがチョンピルを思う女番長役で出演。ミニを演じるイムウンギョンと張り合っています。イムウンギョンが古典的な“かわいい女子高生”に対して、コンヒョンジンはいかにも現代風な個性を発揮していて、この二人の掛け合いはなかなか面白い。
分厚い教科書の片隅に描かれた「パラパラ漫画」。これってあんまり勉強しなかったボクのような生徒にはひたすら「懐かしい」(日本史や世界史といった分厚い教科書が最適でした)。もっとも、あんな画風ではなかったけどね(言い訳)。

ボクも共学の高校に通っていなければ、ひょっとしたらチュンピルのような青春時代を送っていたかもしれないなぁ。
ギター教室という設定がいかにもいい。共学ならさしずめギター部って感じかな。
もうとうの昔に青春時代を終えてしまったおっちゃんには、なんだか眩しい気がしました。
今の高校生たちも、こんな青春を送っているのでしょうか? なんだか、そうではないような気がしてしかたありません。

軽い気持ちでご覧になって、くすっと笑える掌品。佳作。
日本での劇場公開はどうなんでしょうね? ちょっと難しいかな? でも、DVDやビデオでも充分楽しめる映画だと思いますよ。
そこそこおすすめ!

先日の報道によると、主演のリュスンボムが交通違反で免許停止になっていました。スピード違反には気をつけて、安全運転お願いします。

おしまい。