先生、キム・ボンドゥ

家に帰ってからラーメンが食べたくなります!


  

去年は大阪での開催はなく、名古屋まで観に行った「シネマコリア」。今年は従来の名古屋、東京、札幌に加え大阪でも開催していただきました。有難うございます。その大阪会場は十三の第七藝術劇場。座席数が100席にも満たないナナゲイで大丈夫なのか、ちびっと心配だったけれど、大した混乱もなかったようで、大盛況のうちに開催され、ほっとしました。
是非、来年も大阪での開催を続けて下さることを切望します。いろいろと難しい面もあるのでしょうが、出来れば、もう少し大き目のホールでお願いします。
ボクはチケットを発売初日にぴあの窓口で買ったので、番号が比較的若かった。だから、どの回もそこそこの座席で観ることができました。それでも、普段のナナゲイを知っているだけに、びっくりしてしまいましたけどね。

さて、トップ・バッターは「先生、キム・ボンドゥ」。ボクは生意気にもソウルで一度拝見しています。
一言で表現すると「とてもいいお話し」。
ただ、チャスウォン扮するダメダメ先生、改心するのが「あんた、ちょっと遅すぎるよ」。それだけが気になる。

子役たちが、実に芸達者です。
父親がおらず、そのために貧乏で授業をさぼって(?)山仕事をしにいく児童が「孝子洞の理髪師」でソンガンホの息子役だったのはすぐに気が付いたけれど、転校生としてやって来る男の子が、実は「九歳の人生」で主演している一見ぼ〜っとしている男の子やんか!
う〜ん、韓国でも芝居が出来る子役はそう多くないんだなぁ。個人的には「ボリウルの夏」のしっかりした女の子が気になっているんやけど...(まっ、それはいいとして)。

こんな先生って本当にいるかもしれないね。
ここまでストレートに表現しているかどうかは別にして。でも、教師という職業は生身の人間と人間とのぶつかり合い。もちろん、結果として、憎悪や遊離のまま終わることもあるかもしれないけれど、おおむね感動を伴なうよね。なんか、その姿がちびっとうらやましかったなぁ。
サイドのストーリーもいい。近所に住む文盲のおじいさんが一緒に机を並べる姿、それは微笑ましいを超越していた。
それと“白い封筒”。これって日本の学校でもあるのかな? まぁ、どこかの政治家は一億円もの小切手を受け取っておきながら憶えていないような方もいるようだけど。

ここでストリーの詳細を語るのは省きますが、ドラマチックで刺激的ではない、だけどじわっと心にしみいる佳作と言えます。何もトップスターがキラ星のごとく出演しているわけでもないけどね。
脇はなかなか面白い、用務員のおっちゃん、名前は知らないけど時折見かけます。子供の親にもちょっと大杉漣に似ている人もどこかで観たことありますね。時間がある人は調べてみてください。
そして、何年か先に「この人が子役で出ていた作品」という紹介のされかたをするかもしれません。

今後、この作品が日本で商業的に公開されるかどうかはわかりませんが、何かの機会にご覧になられても決して損のない作品ですね。おすすめしておきます。

おしまい。