ウォルター少年と夏の休日 |
こんなおじさんがいたらいいのになぁ... |
何とも言えない、ある意味“桃源郷”を描いた映画。 移り気で気紛れな母親に連れられ、ウォルター少年は年老いた大叔父二人が住む田舎の農園に連れて来られた。速記学校へ行くという母親は彼をこの農園に置き去りにしてしまう。「叔父さんたちは大金持ちだから、そのお金のありかを探るのよ」と因果を含められて...。
最初は「子供は苦手だ」と言っていた老人たちだが、徐々にウォルターに心を開く。そして、少年も気難しいだけだと思っていた二人の叔父さんが、実はとっても頼りになる男たちだと気がつく。 少年は、弟の叔父さんガスから、兄の叔父さんハブの武勇伝を聞かされる。心ときめくヒーロー列伝、そしてとろけそうな甘い恋。まるで、御伽噺を聞いているような気分になってしまう。 夢があって、そして悪い人が出てこない。ほんとうに映画らしい映画だと言える。
確かに、二人の叔父さんは、まるで夢を見続けているような行動に終始する。それは、この二人が全く無理をしていないように見えるからだろう。
それにしても、良く出来たお話し。
どのエピソードも練られていて、嫌味もなく、夢がある。 ラスト、ヘリコプターのエピソードは蛇足だったような気もするけどね。 ロバート・デュバル(ハブ)とマイケル・ケイン(ガス)の二人はもちろんよく知っている。ウォルター役のハーレイ・ジョエル・オスメントは“天才子役”だそうですが、今回初めてお会いしました。ちょっと爽やかすぎるかもしれないけど、芝居が出来る“子役”ですね。ラスト近く、農場に引き返してくる彼の姿に、ちょっと胸が熱くなりました。ただ、これからも“俳優”として活躍できるかどうかは、ちょっとまだわからないかな。
実はこの映画、劇場公開を前にして、試写会のお誘いを受けていながら、急用で行けなかった。こうなると、縁がなくて公開中も食指が動かなかったけれど、もう最後の最後になって観てきました。 本当は映画館の大きいスクリーンで観てもらいたいけど、もう上映は終わっています。ビデオやDVDでも充分お楽しみいただけると思います。 おしまい。 |