4人の食卓

収拾のつかない都市伝説


  

暑さにやられて、まともに思考できない。
毎晩、眠りが浅く、苦しい。
そんなせいか、なかなか偽ジェの更新がままならない。すいません。
はやく、夏が終わらないかな。

テアトルからOSまで、もう一度ダッシュ。汗をかきかき向かう。こちらももう予告編を上映中。チョンジヒョンの主演だからか、それとも韓流の真っ只中にいるからか、40〜50名ほど入っているから立派(だと思う)。

予告編だけは、何度も繰り返し見ている。
どんなストーリーなのかは問題ではなく、チョンジヒョンがどんな演技を見せてくれるのか、それだけがボクの興味の焦点。
ところが、この映画。思いがけず、なかなか良かった。ちょっとびっくりした。ただ、物語りとしては、支離滅裂だと思う、明らかに主演の二人に支えられている。

主人公はチョンジヒョンではなく、パクシニャン(映画「手紙」に出ていた人です、ちょっと例えが古いか。最近ではTVドラマ「パリの恋人」ですか)。
建築家のジョンウォン(パクシニャン)はもうすぐ同じ事務所で働く照明デザイナーと結婚を控えている。そして、もう新居のマンションに一人で住んでいる。
彼女が選んだ天板が硝子で出来た四人掛けのテーブルがキッチンに新しく運び込まれた。そして、その天板ではなく、それぞれの席にライトが当たるように照明がセットされる。
ちょっと冷たい感じがするそのテーブルにジョンウォンは軽い意義を唱えるが、これが気に入っている彼女に簡単にいなされてしまう。

このテーブルが二人の運命を狂わせていくとは...。

ジョンウォンの実家は教会。牧師の父親は息子のの婚約者の実家から支援を受け、新しい教会を開いたばかり。
その朝、ジョンウォンは早朝ミサに参加した信者ヨン(チョンジヒョン)をクルマで家に送り届けた。ヨンには見覚えがあった。この人は、確か最近工事に入った医院に通っていた患者さん...。

この映画の面白いところは、結婚を目前に控えたパクシニャンと人妻のチョンジヒョンが恋に落ちたり、男と女の関係になったりしないこと。この二人はあくまでも“仲間”として意識しているし、描かれている(周囲からどう見えるかは別だけどね)。
そして、よくわからない謎めいたストーリーが展開される。
パクシニャンは一体誰なのか? チョンジヒョンの赤ん坊は結局どうなったのか?
字幕が付いているのにもかかわらず、いろいろとわからない点が残る。でも、それはそんなに気にはならない。それどころか、確認の意味も含めて「もう一度観たい」と思わせる、不思議な魅力を持っている。

地下鉄の車内、たまたま隣りあわせた幼い姉妹。眠っているのかと思ったら、実は死んでいた。雨の日、マンションのベランダから外を眺めていたら投身自殺し、下に落ちていく女性と目が合う。下町の路地、ふと足許を見ると側溝の隙間から血だらけの指が見えている...。

ジョンウォンはこの後、普通の生活に戻れたんだろうか?

この映画を観ていて嬉しかったことが二つ。
一つは、映画の中盤でチョンジヒョンが義母と会う喫茶室。ここは束草(ソクチョ)という街にあるケンシントン・ホテル。
昨年の春に行った、雪嶽山(ソラクサン)の麓にある。このホテルは自らのサブタイトルに“スターホテル”と謳っている。ロビーにはこのホテルを訪れたスターの写真が飾ってある一角があるだけでなく、いい部屋は各界のスターが自らアレンジした造りになっていて、部屋番号とは他にそのスターの名前が付けられている。各フロアのエレベーターホールにはその階に部屋を持っているスターの衣装などが飾られています。
このホテルでロケしたのを知っていれば、チョンジヒョンが座った席で記念撮影してきたのになぁ...。残念。

もう一つは、ほとんどノーメイクのチョンジヒョンが、ミステリアスな雰囲気を漂わせながらも凄く綺麗だったこと。元気溌剌なチョンジヒョンもいいけれど、こんな陰のある役も出来るんだなぁ。それに、意外(?)と人妻役も似合っていた(の割には旦那がどうも冴えないゾ!)。

まぁ、映画の本筋を離れた部分でもなかなか楽しめた作品でした。
でも、スイマセン。大阪での上映は昨夜(7/16)で終了してしまいました。

おしまい。