友引忌 −ともびき−

雰囲気を盛り上げよう!


  

だらだらとソウル日記を書いているうちに、すっかり映画を紹介するペースが落ちてしまい、申し訳ありません。
今回の「友引忌」、先週の日曜に観たのでもう一週間以上前になります。

ちょっと家を出るのが遅くなり、阪急の梅田からツインタワーまで急いで歩く。リーブルに到着したときには、もう汗びっしょり。おまけにこの日は休日にもかかわらず所用でスーツを着ていたので余計に暑かった。
もう既に予告編が上映中。暗がりの中で空席を探すと...、お客さんは20名も入っていない。まぁ、日曜とは言え、朝一番から韓国製のホラーを観る人がたくさんいるわけないか。

出演者で有名どころは、ユジテが出ているくらいで、他には「リメンバー・ミー」に出ているハジウォン(「フォン」にも出てました)。その他は、時々見かける方がチラホラと...。
この映画は、誰かが出ているから...観るのではなく、ストーリーや内容で勝負って感じだからね。

大学院で勉強しているヘジン(キムギュリ)のもとに、米国へ留学しているはずのソネ(チェジョンユン)が突然訪ねてくる。この出だしから、ドヨヨヨ〜んと恐ろしげな雰囲気が...。
ソネは怯えまくって、うわ言のように「ここにもギョンアがやってくる」と言ったきり口も利かない。
で、ヘジンは学部生時代のサークル仲間に連絡を取り始める(その一人がユジテ)。実はこのサークルの存在そのものが、開けてはいけない禁断の箱だったとは、ヘジンも知らなければ、観ているこっちも知らなかった!

その後、このサークルに所属していた人たちがどんどん謎の不慮の死を遂げ、謎は深まるが、そこに学生時代に自殺したギョンア(ハジウォン)の影がちらつき始める(おぉ、恐い!)。

てな、感じで物語りは一気に観る者を恐怖のドン底に叩き落しながら、少々の粗さには目をつむって、一気に走りつづける!
恐いか、恐くないか。
それは、どんな環境で観るかによって随分印象は変わってしまうはず。
この映画のDVDを真夜中に一人で見ていたら、背筋が冷たくなるかもしれないけれど、それだけのような気もする。
でも、20名ほどのお地蔵さんとエアコンが程良く効いたリーブルで観ていると、なんだか眠気に誘われるような...。
これが、ソウルだったら、ここで声が出る、とか、ここでキャーって女の子が騒ぐはず、ってポイントが随所に散りばめられていて、これが効果音になり、こっちの気分も盛り上がって来そうなもんだけど、まさかボクの野太い声で悲鳴を撒き散らすわけにも行かない...。

観ていて楽しいわけでもないけど、昨夏の「フォン」ほどの恐怖もない。ストーリーそのものはどっちかと言うと陳腐なのかもしれないね。
でも、ハジウォン、チェジョンユンとキムギュリがかわいいから許してしまう。
観終わってすぐは、何故かこの春に観た「海辺へ行く/Bloody Beach」と良く似ているなぁ、って印象を持ちました。
映画そのものの出来は、先日ソウルで拝見した「霊」よりもだいぶ上だと思います。

出来れば、カップルでお出かけになって、思いっきり声を出して恐がって、周囲の雰囲気を盛り上げてください。
念のため申し上げると、腰が抜けたり、ちびってしまうことはありません。

もう少し、シネ・リーブル梅田で上映しているはずです。
次回は、久々に観るタイの不思議な映画「テッセラクト」の予定です。

おしまい。