俺も行く/Two men Two top

チョンジュノはもっと注目されていい


  

もう7月の手前だったし、梅雨の期間でもあるので、今回のソウルでは山歩きの予定は入れていない(滞在中に一度も雨は降らなかったけど)。その代わりと言ってはなんだけど、水原(スゥオン)まで脚を伸ばして、城壁を歩くことにした。
この日は梅雨の晴れ間で、青空が広がっている。結構暑くて、目的の城壁を一周することもなく(しかも歩いたのは、比較的平坦な部分だけ)避難してしまいました。気合が入っていない今回は、ほんまに情けないもんです。
「水原へ行く」と言うと、みんな口を揃えて「炭焼きカルビを食べてきたら」と言ってくれる。そう、この街は、世界遺産の城壁とカルビが有名なのです。

ソウルの中心部から、地下鉄1号線とそのまま乗り入れているKRでおよそ一時間強。水原はソウルのベッドタウンの一つでもある。
駅前からバスに乗り、城市へ向かう。10分も市街地を走れば、立派な“八達門”が見えてくる。この“水原華城”は世界文化遺産にも選ばれていて、観光地としての整備もかなり進んでいる。
“八達門”の右手から、時計の反対廻りに城壁を歩き始めた(左手は、結構急な上りになっているのでやめた)。それでも、そこそこのアップダウンがあり、10分も歩くと汗が吹きだしてきて、息も切れる(大袈裟やなぁ)。
結局、城壁を半周して、華虹門まで。この門のすぐ傍にあるヨンポカルビで昼食。昼食の時間帯は、焼き物だけではなく、冷麺やカルビ湯などのメニューもあり、そこそこお客さんが入っている。折角、水原まで来て、しかも専門店に入ったんだから、生カルビと味つきカルビを各一人前お願いしました(もちろんビールも)。
結論から申し上げると“ごっつい、美味しかった”し、お腹一杯になった。ここで一人前は、本当にそれで一人がお腹一杯になります。欲張ってたくさん注文したらあかんょ。ちなみにお値段ですが、日本で焼肉を食べるのならともかく、普通の食事代がかなり安い韓国においては破格。一人前が30,000ウォン弱でした。

ちなみに、市街地(城市から少し西)にもシネコンはあるようですが、水原の駅ビルにもCGVが入っているので、華城観光のついでに映画を観ることもできますよ。

さて、MEGABOXで引き続き観たのは「俺も行く」。
ボクがチョンジュノに初めて会ったのは、香港で観た「頭師父一体」。これはちょっと無理があるけど、その無理を強引に押し通してしまう、ヤクザの学園モノだった。もちろん、なかなか面白かった。そして「東海と白頭山」、こちらは強引さが粗さとなって目立ってしまうコメディだった。でも、このチョンジュノ、あんまり日本では顔が売れていない。惜しいなぁ。

この「俺も行く」も、ちょっと強引な筋運びのヤクザもののコメディ。難しく考えずにご覧になって、気楽に笑って楽しめばいい、そんな映画です(「東海と〜」よりはマシです)。少々言葉がわからなくても充分に楽しめ、笑えます。

万年文学青年で、いつまでも“文豪”になる夢を追いかけているドンファ(チョンジュノ)が主人公。
生活は勤めに出ている奥さんに頼っている。この設定はまるで「ハッピー・エンド」や「ほえる犬は噛まない」そっくり。もちろん、ドンファも奥さんには頭が上がらない。この奥さん、どこかで観たような気がするけど、頭を捻っても思い出せない。
そして、息子からも小馬鹿にされて、ほんとうにうだつが上がらないオヤジなんだ、悲壮感すら漂うょ。この息子が絡んだ近所の何でも屋のオヤジとの対決が、後々までも面白い。
稼ぎが無いから、タクシーの運転手をすることにしたのだが、運が悪いことにたちまち事故を起こしてしまう。この被害者の悪ガキ三人組も楽しい。

が、ひょんなことから、伝説の親分マンチョル(ソンチャンミン)の自叙伝のゴーストライターを勤めることになり、ここからドンファの運命は一転する(ドンファが、どうしてこの仕事にありついたのかはちょっと理解出来なかった)。
目もくらむような前金をキャッシュで受け取ったうえに、舎弟企業の一室を与えられたばかりか、二人の子分とベンツの送り迎え付き。ドンファの生活は一変する...。
一方、今まで言葉を交わすこともなかった人種を初めて知ったマンチョル。これはこれで悪くないなぁ、なんて思い始める。

こうして、様々なコメディが繰り広げられるんだけど、ソウルのお客さんたちは、ヤクザもののコメディには慣れていて、少々のことでは受けないのかな。ボクは単純だから、そこそこ面白かったけどね。 チョンジュノの主演作はこうやって、また日本での公開は遠のいて行くのでしょうか?

おしまい。